とびきり甘いキャンディナイト


「ただいまナナ」
「あ、ダンテさんおかえりなさい!」

依頼を終えたダンテは事務所の中に入るなりキッチンにいた妻ナナの元へとすぐに駆けつけて抱きしめて、額にキスをする
キスをした後ダンテは彼女の近くに置いてあった買い物鞄に気がついて声をかける

「出かけるのか?」
「はい、夕飯の買出しです」
「俺も行く」
「え?でもダンテさん疲れてるでしょ?ゆっくり休んでてください」

気を使ってくれるナナの心遣いはダンテにとってはとても嬉しい
だが彼は首を横に振ると彼女の膨らんだお腹に手を当てた
現在ナナは妊娠しており9ヶ月目になる。この大きなお腹になってから色々と不便な事がありながらも彼女は毎日家事をこなしてくれていた
初めての妊娠、出産…色々と不安な事があるがその時に一緒に支えてあげるのが夫の務めだとダンテは考える
実際世間では夫なんて役に立たない、というがあながち間違いでもないかもしれない
だが自分にできることは極力やってあげたかった

「もうお前一人の身体じゃないんだ。俺も楽しみなんだぜお腹のbabyが」
「ダンテさん…」

本当は一人で買い物に行くのは不安だった
もし転んだりしてお腹の赤ん坊を傷つけてしまったらどうしようかと
差し伸べてくれるダンテの大きな手を握り締めて二人は事務所を出た



「今日は何にするんだ?」
「何が食べたいです?」
「………ピザ」

野菜を手にとって選んでいたナナがダンテの答えに思わず笑ってしまった
本当にピザが大好きなのだな、とこの前も何がいいのか尋ねたときもピザだと答えていた様な気がするなと彼女は思い出す
だが彼女は首を横に振るといくつか野菜を手にとって彼に見せる

「今日は野菜をたくさん使ったスパゲッティにします」
「せめてトマトソースぐらいはいいだろ?Darling」

トマトソースの缶詰を持ったダンテに仕方ないですね、とナナは微笑んでカゴに入れるとレジへと進んでいく
会計を済ませて袋に買った食材を詰め込むとそれを持とうとしたナナより先にダンテが持ち上げる

「ここは俺に任せな」

ウィンクするダンテにナナの心臓が高鳴った
先に歩き出す彼の広い背中を見つめていると、近くにいた女性たちがかっこいいと声を上げていた
女性たちの声に耳を傾けてみればやはりダンテの先ほどの行動に対してだ

「見た?カッコイイよねあの人!!」
「私もあんな旦那さん欲しいなぁー」

ダンテは自分の旦那で自分は彼の妻
自分の旦那が褒められるのは嫌な気分ではないむしろ嬉しい
手招きしているダンテの所へ小走りで走っていくとダンテが口を開いた

「どうしたんだ?気分でも悪いか」

いつでも自分を心配してくれて、ピンチの時には駆けつけてくれた
いつだって自分を守ってくれる

「…ふふっ、なんでもないです」

嬉しそうに微笑んで答えるナナにダンテはキョトンとしていたが自分の腕に手を絡めてくる彼女に目を細めると一緒に歩き出した





こんな旦那さん素敵で周りからも羨ましがられていいでしょ!って感じの話を
誰そ彼
130607
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