愛の在る場所を作ろう


「明日はいい夫婦の日ですねー世間の旦那様は奥様に何をなされますか?」

テレビをじーっと見続けていたリリアとロダンの子供達
食事の準備をしていたナナの元に二人が駆け寄ってきてエプロンを引っ張る

「ママ!あしたはいいふうふのひなんだって!あたしとパパのひなんだからねっ」
「じゃあぼくはママと!」
「はいはい、みんなで一緒に過ごしましょうね」

困ったように笑いながらナナは子供達に答える
リリアとロダンは椅子に座って食事を始めると、ちょうどダンテが依頼を終えて帰ってきた

「ただいま」
「お帰りなさいダンテさん」
「パパ!あたしのとなりにすわって!」

自分の隣の椅子を引っ張るリリアにダンテは苦笑しながら頭を撫でてやる
ダンテが椅子に座ればリリアはすぐに父親の膝の上に座った

「パパ!あしたはいいふうふのひなんだって、あたしとすごそうねっ」
「いい夫婦の日か…hmm」

リリアに明日の事を言われてダンテはチラリとナナの方を見つめた
彼女はロダンに食事を食べさせている所だった
娘の事は可愛いが残念ながら明日は彼にとって用事がある、一緒に過ごす事はできなかった


* * *

「ダンテさん、どこに行くんです?」

翌日
ダンテはナナと子供達を引き連れてある場所へと向かっていた
どこに向かっているのか尋ねるのだが彼は答えようとしない
すると彼が足を止めた、そこはロクサーヌの店だったのだ

「ロクサーヌ」
「あぁダンテ、ナナおはよう」
「約束どおり子供達は頼んだぜ」

ダンテはリリアとロダンを抱き上げると店の中に二人を入れる
するとリリアがダンテにすぐに尋ねた

「パパ?」
「リリア、ロダンお前達はここで留守番だ。いい子にしてろよ」
「パパとママどこかにいくの?」
「あぁ…ママとデートだ」

デートと聞かされてなかったナナは驚いたような顔をする
リリアは不満そうな顔で父親を見つめるのだが、ダンテは駄目だと首を横に振る
父親に駄目だと言われてリリアは店の奥へと入っていく。ロダンはナナにしがみついたのだが彼女もしゃがんで頭を優しく撫でる

「ママー」
「ロダン…いい子で待っていて下さいね」
「ほらロダン、ママ達を見送ってやろう」

ロクサーヌが優しくロダンの手を握ってやる
ロダンも素直に頷いて二人に手を振った、ロダンに見送られながらダンテとナナはロクサーヌの店を後にする

「ダンテさん…」
「んー?」
「…今日は私と過ごすって決めてくださってたんですか?」
「当たり前だろ」

当然、と言った顔で彼は言った
そしてそのままナナの手を握る、大きな手で相変わらずドキドキさせられる男らしい手だ

「あいつらが生まれてから二人で過ごす時間が減っちまったからな…今日ぐらいはいいだろ」
「ダンテさん……はい」

ナナも嬉しそうに微笑んだ、ダンテは少し屈んで彼女の唇にキスをした
道端でキスをしたので何人かの通行人に見られてしまった
恥ずかしそうに俯く彼女に更に追い討ちをかけるかのようにダンテは囁いた

「当然夜も愛してやるぜ…いいホテル取ったからな」
「!!よ、夜に帰るんじゃないんです?」
「食事して終わらす訳ないだろ」

ニヤリと笑うダンテにナナは恥ずかしそうにしながら彼と一緒に街中を歩き出した





やっぱりこの夫婦で何か話が書きたくて…一日送れですが…いい夫婦の日
誰そ彼
121123
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