グラウンドから部活に励む生徒達の声が聞こえる
そしてそれを鑑賞する女子達はこの日3月14日ということもあってか部活が終わるのを待っていた。自分がバレンタインデーにあげた男の子から何かお返しがくるのではないのかと心待ちにしていたのだ
「きゃーかっこいい!凌統せんぱーい!!」
「昭先輩!がんばってー!!」
女子達の黄色い声援を受けながらも集中する男達
そんな中一人の女の子は人気のある彼らではなく、一人の男の姿をずっと追いかけていた
小さいながらもその身体をいかして攻めていく
(がんばれ…!)
シュートが決まった、そこで試合終了の笛が鳴る
これも部活が終わった合図のようなもので自分が先にタオルを渡そうと女子達は一目散に走っていく
それは彼女も同じだった
「はーくん!!」
「うおっ」
彼の傍に駆け寄って抱きついた、抱きつかれて驚いていたがなんとか受け止める
「見てたよはーくん、かっこよかった」
「あははっ当たり前だろ…って言いすぎかな」
そう言ってポリポリと頭をかく
彼の名前は夏候覇、彼女とは幼なじみで学年も一緒だった
帰るか、と二人で一緒に家まで帰ることになった
「あのさ」
「ん?」
帰っている道の途中で夏候覇は声をかけてきた
何?といった表情で彼女は待っている、夏候覇は鞄の中から小さな箱を取り出して彼女に渡す
「ん」
「え…」
「あれだよ…ほらバレンタインのお返し」
「あ、開けていい!?」
いいぜ、と夏候覇に了解を貰うと彼女は袋を開けていく
すると中には缶でできたペンケースが入っていた、ペンケースがお返しだろうか?とちょっとガッカリしたが中を開けてみれば可愛らしいキャンディーがたくさん詰まっていた
「わ…可愛いっ!」
「俺…女が喜ぶものって正直わかんねぇからさ……つまんねぇものでごめんな」
「全然そんな事ないよ!ありがとうはーくん!!」
笑顔で言う彼女に夏候覇は頬を赤く染めて照れくさそうに笑った
****
はーくんはお返しにものすごく悩みそうだww