3月14日
学校中の女子がソワソワと落ち着きのない行動をしていた。チョコレートをあげた男子からどんなお返しをもらえるのだろうか、とワクワクするからだ
しかし一部の女子の落ち着きのなさは異常だった
「あ、JOJOよ!!」
「おはよー!JOJO!!」
目的の人物が学校に来るなり一斉に集まってくる女子達
承太郎はうっとおしい顔をして女子達に一喝するのだが効果はなく、かっこいいー!と女子達は叫ぶだけ
そんな中一人の女子が承太郎に声をかける
「ねぇJOJO!今日はホワイトデーよ、お返しは?」
「……ねぇよ」
「え?」
「俺は誰にも返さねぇ」
承太郎の言葉に女子達はきょとん、となった
そしてそのまま散らばっていくのだがすぐに隅っこの方で固まる
本当に誰にも返さないのか、もらっているやつがいたらシメてやる。など恐ろしいことを言っている
(お返し…くれないのか)
先程承太郎の言葉を聞いていたクラスメイトの一人の彼女ははぁ、と残念そうにため息をついた
彼女もバレンタインデーに承太郎にチョコレートを上げた一人だ、期待したいたのだが誰にもあげないということは自分にもくれないのだろう。結構本命だったから気合を入れたのだが彼に伝わっていなかったのだ、がっかりと肩を落としながらその日を過ごした
下校時間
友達と別れて一人になった時だった
「おい」
「え…承太郎くん!?」
呼ばれて振り返ればそこには承太郎が立っていた、彼はそのまま彼女に歩み寄ってくるとぶっきらぼうに彼女に小さな箱を渡した。目の前の箱を受け取って彼と箱を何度も見比べる
「えーと…これは?」
「お返しだ、ホワイトデーだろ?」
「え、え…だって誰にもお返ししないんじゃ…!?」
「…おめぇのチョコレート美味かったぜ…一番な」
じゃあな、と承太郎は彼女の頭に手を置いてその場を去ろうとする
涙が零れそうになった彼女は勇気を出して彼の後を追い、一緒に帰ることにした
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うっとおしい女にはお返ししませんw