冬、この季節は俺にとっては苦手だ。まぁ夏も夏で暑すぎて嫌いだけど
だけど街中で見かけるベタベタ引っ付くカップル
前まではうぜぇって思ってたけど、アイツに恋をしてからアイツとあんな風にできたらどんだけ幸せなんだろうか、とか考えたりする

「もうすぐ年末だね…」
「あぁ…そうッスね」
「今年ももう終わりかー…すぐに2年生になっちゃうね」

白い息を吐きながらアイツは語る、マフラーとかして暖かくしてる姿がまた可愛いわけで後ろから抱きしめたくなる

「仗助は冬休みどこか出かけるの?」
「え?いやなーんも…それどころかクリスマスさえもなんも予定ねぇな」
「そう…なの?」

アイツが意外という顔で見てきた、一体どういうことなんだよ

「なんスかその反応」
「……だって今日教室で女の子たちに予定聞かれてたじゃない、だから…あの中の誰かと過ごす約束とかしてたのかなーって…」

お前以外の女の子と過ごすって?そんな事するわけねぇーだろ、そりゃ確かにクラスの女たちにしつこくクリスマスの予定聞かれたけど全部追っ払ってやった。

「……おめーはどうなんだよ」
「え?私…?……クリスマスは別に用事はないかな…」
「……じゃあ俺と過ごす?」

思い切って俺はアイツを誘ってみた、アイツはアイツで驚いた顔をしている

「いいねー昔みたいに家族ぐるみでクリスマスパーティする?」
「……違うってなんでそうなるんスか」
「え?じゃあ……」
「当然二人で過ごす…だろ」
「それって…」

デートみたいじゃない、と小さく呟いた。俺はそのまま冷えて冷たくなったアイツの手を握った

「…俺とじゃあ嫌ッスか?」
「いや…じゃない…よ」
「よし!じゃあクリスマスは俺とデートな!」
「うん!」

そのまま俺はアイツの手を握り締めて歩き始めた、アイツは俺の行動に戸惑っていたがゆっくりと握り返してくれた
初デートの日に俺たちは幼なじみから恋人へと変わるのだろう






***
幼なじみシリーズはこれで完結です



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