秋といえば学校では当たり前の行事がある
そう、体育会だ
すげぇーめんどくさい行事なわけで俺としては休む気満々だったけど当然口うるさい幼なじみのアイツが許すはずなかった

「あ〜ダリィ、まだ終わんねぇのかよォ」
「何言ってるの!せっかくだから楽しまなきゃ!」

リレーで走っている仲間に向かってがんばれー、と応援するアイツ。本当に心から楽しんでるんだなぁ、って感じた。その顔がまた嬉しくて俺もつい微笑むわけだけど

「ほら仗助!次アンタの出番でしょ!」
「はぁ?俺何に出るんだっけ?」
「借り物競争でしょ!急いで急いでっ!」

背中を押されて渋々入場門へ行く俺、応援してるからね、とかアイツに言われたからまぁ、気合入れるわけだけど……
笛の合図と共に一斉に地面に伏せてあるカードを取りに行く、さっさと見つけて終わらせようとカードをめくって俺は体が固まってしまった

「仗助ー!何止まってんの!急いでー!」

遠くからアイツの声が聞こえた。俺は唇を噛み締めてアイツの元へと一直線に走る。こっちに向かって来たことにアイツは驚いていたが俺は手を差し出した

「俺と一緒に来てくれ!」
「わ、わかったわ!」

アイツはすぐに俺の手を握り返してくれた、心臓がドキッと音を立てたけどすぐにゴールに向かって走り出した。係員…山岸由花子にカードを渡した

「はい、3位よ。1位じゃなくて残念ね」
「うるせーよ」
「………ふーん、彼女がそうなのね」

ギクッ、と肩を揺らした。アイツも由花子の発言に何が、といった様子でこちらを見ていた。ニヤニヤしながら見る由花子にすげー腹が立った

「そういえば仗助、カードになんて書いてあったの?」
「え!?あーそれはだなー…〜〜〜〜っ、あ!幼なじみだよ!幼なじみ!!」
「そうなんだ、だから私の所に来たのね」

なんとかごまかせた事に俺は心からホッとした

「…仗助と走れて楽しかったよ」
「え?」
「結構足速いのね、風になったみたいで気持ちよかったよ。いい思い出になった」

ありがとね、と俺の肩を軽く叩いてアイツは行った
アイツと握った手が急に熱くなってしまった








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -