あたしの高校はセーラー服だ。ホントはブレザーが良かったんだけど、年上の彼氏さんが「セーラー服の方がいい」って言ったから今では中々気に入っている。
『銀ちゃん、ただいま』
「おー」
学校から帰って、自分の家より銀ちゃんの家に先に来ることが多くなった。早く会いたいが為のことだし、嬉しいんだけど、…最近銀ちゃんがあんまり構ってくれない。こんな悩み、いかにも子供っぽいってことはわかってる。
『…はぁ』
でもね、昔はあたしがため息を吐けばすぐに気に掛けてくれたのになぁって。もっと大事にしてくれたのに、って嫌な方に嫌な方に考えちゃうんだ。
『…今日は、帰るね』
いつもより早く、このセリフを言ったあたし。また「おー」とだけ言ってあたしのことなんか見向きもしないのかな。
でも今回は予想外に、銀ちゃんはパッとあたしを見た。
「今日なんか用事でもあんのか?」
『ううん、違う』
「じゃあなんで……」
返事をせずに家を出た。無性に泣きたくなった。
『ばか…っ』
銀ちゃんがわからない。年上との恋愛って予想外にキツいよ。銀ちゃんはあたしのことどう思ってるの。私は、こんなにも、
『好き…なのに…っ』
夕暮れ時の道で、涙が零れた。好きすぎて辛いなんて初めてだ。下を向きながら歩く。少ししたらあたしの後ろに影が見えた。
……銀ちゃんだ。
やめてよホントに。こうやって優しく追いかけてきちゃったりするから、あたしは銀ちゃんから離れられない。
『銀ちゃんはバカだよ』
独り言みたいに呟く。銀ちゃんはそれに反応しなかった。
『嫌いになったなら、早く言って。早くしないともっともっと離れられなくなるから』
「そりゃあ良かった」
言葉の意味がわからなかった。何が良かったの?
「俺が嫌いって言わなけりゃ、透は離れないんだろ?」
『意味、わかんない…』
「だから、俺は一生離したくないくらい透が好きなんだよ」
その言葉と同時にあたしの体は暖かな温度に包まれた。
『でも、でも…』
「だーっ…言いたいことはわかってる。俺が悪かった!透がいつも居てくれることに安心して、構ってやれなかったし。あと、その……セーラーはある意味キツいわ」
『キツい?』
「精神的に…?いや、身体的にか」
抱きしめる力が強くなった。
「そんだけ、透が好きなんだよ」
赤に染まった
(夕焼けと共に頬も心も)
-----
つまりはバカップルです
そして
タイトルのセンス皆無です
prev next
back