『ケーキがいいですか、饅頭がいいですか?』
自室で仕事をしていた土方さんはワケがわからないという風に眉間にシワをよせた。
『え、え?もしかして土方さんってば今日何の日か覚えてないんですか?』
「は?なにがだ」
『うっそん』
部下のあたしは、いつも勝手に土方さんの自室に居座るのだけれど、なんだかんだで受け入れてくれるんだ。優しいですよ、ホントに。
「で、いつまでいるつもりだ」
質問には答えずに、今度は書類を渡された。
『冗談キツいですってー』
「お前まだ終わらせてねぇだろ」
『で、ケーキと饅頭どっちがいいんですか?』
「んなこと聞いてねーで、仕事やれ」
あの副長に話を逸らす技は通じない。
…………。
というかホントに今日何の日か覚えてないのか。
『土方さんって誕生日いつですか』
「……5月……、…5日?」
『聞かれても…、で今日は何日?』
「5月…5日」
『はい』
頷いたあたしに向かってため息を吐いてから、また土方さんは仕事にとりかかる。
「んな歳になって誕生日祝うヤツがどこにいんだ」
『近藤さんは姐さんに祝いにもらいに行ってますよ』
「……近藤さんは別だ…」
ガクッと肩を落としたのを見ながら、あたしは笑った。
『実はですね』
ゴソゴソ、持ってきたカバンをあさりながら目的のものを探す。これが本当の目的なんだから。
『あったあった、…誕生日プレゼント持ってきたんですよ』
土方さんの目の前に出したのは、小さな箱。中にはちょっとした仕掛けがあったりなかったり。
『はいっ…、開けて下さい』
無言で箱を受け取った土方さんは、恐る恐るという風に箱を開く。
「………」
『うふっ』
「マヨの匂い…か?」
『どうでしょーか!!』
自信満々な今回の誕生日プレゼントは、なかなか良い選択でしょ?
ゴーゴー土方さん
(お誕生日おめでとうございます!)
『匂いで我慢してください』
「無理だな」
『マヨ食った後でキスとかしたくないんで』
実は恋人同士な2人でした。
「仕方ねぇから、透な」
『へ?まさかそれってあたしを食べちゃう系じゃないですよねー』
「それ以外ないだろ」
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土方さんお誕生日おめでとうございますっっ\(^O^)/
そして遅くなってしまい申し訳ありま洗濯機ィイ!とりあえず書けて良かったです(泣)でも甘さ全然なくてごめんなさい!
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