「次は高杉です」
ゆったりとこちらに歩いてくる晋助はこれでもかってくらいサンタの格好が似合っていない。
『似合ってないね』
「フッ、知ってらァ。透の為に今だけしてやってんだ、後でしっかりお礼しろよ」
『いや、あたし頼んでないし』
また、あたしの顔を見て笑う。どこがおかしいの?
「俺からのプレゼントだ」
ひょい、と渡されたのは。
『…………』
「どーだ、気に入ったか」
下着……しかも総レースって。
「それ着て見せろよ。俺に」
これ、あたしへのプレゼントって言うよりあなたへのプレゼントじゃないですか?
文句を言うより前に、晋助はいなくなっていた。
* * * * *
「旦那ー、次ですよ」
やる気が見られませんジミーさん。
「これ、俺からのね」
『ありがとうございます、銀さん』
「おぅ」
『……わぁ』
出てきたものは櫛だった。
黒を基調としていて、椿が綺麗に描かれている。
「店で見つけたときに似合うんじゃねーかなと思ってよ」
頭をかきながら言う銀さんは珍しく照れてる。
『……どうですか』
ササッと付けて見つめる。
「やっぱ似合ってる……綺麗だ」
『…っ』
見つめられたまま、綺麗とか言われると…。
「…ホンットお前可愛いーのな」
『からかわないで』
「ホントだって、真っ赤になっちゃってよォ。銀さんに綺麗って言われるのがそんなに嬉しいの」
『バカバカ』
バカ…恥ずかしいよ。
「……良い雰囲気のところ悪いんですけど、プレゼントタイム終了です」
ジミーさんの声が申し訳なさそうに響いた。
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