-銀時side-



よくよく考えれば俺は直接透と話をしていない。

一方的に手紙で、万事屋の机に置いてあっただけだった。

新八の言葉が頭の中でこだまする。

「1回…話してみるか…」

結果はわからないけれど、最後の悪あがき。

それだけ、透が好きなんだ。









ピンポーン

……出ない。

もしかして、俺って気付いてて出てこないのか?そう思うと余計心がズタズタになった。

何気なくドアに手をかける。

「……あれ、開いてる」

一瞬勝手に入ることに戸惑ったが、もしかしたらいきなり高熱が出て倒れてるかも、と都合のいいように思い込んで室内に入った。

それに実際、なんだか嫌な予感もした。

入った瞬間、なんだかおかしいと思った。居るはずなのに全く電気がついてない。

少しずつ、少しずつ奥に行くと音がした。

『……やっ…いやっ』

透?

嫌な予感が大きくなっていく。走って声の聞こえる部屋へと向かう。

バンッ

開けた寝室での光景は信じられないものだった。

『…銀…ちゃ、ん』

半分脱がされかけて涙目の透と透に跨っている見知らぬ男。

『…助けて…っ』

ものすごい怒りがこみあがって、無我夢中で男に掴みかかる。


「てめぇっ……」

「お、おい。やめてくれ!…透が俺を望んで…」

「こんな泣いてんのに、んなわけねェだろ!」

大きな声を出すと男は腰を抜かして崩れた。













その後、透に止められるまで殴ってその男は真選組に渡した。

「旦那、またスゲーやりましたねィ」

「大方、その女が関係あるんだろ。行くぞ総悟」

「へーい」

真選組が去ったあと、2人しかいない空間は一気に静かになった。

「透…早く助けてやれなくて…」

『ううん、ありがとう。……あたしね、銀ちゃんに嫌われたと思って…』

「は?…透が別れようって……まさか、アイツ?」

『どうしたの?』

そ、うか。

今、全部わかった。

今回の原因は全てあの男だと言うこと、それに…

「透が俺のこと大好きだってことも!」

『え!?』

「銀さん、透不足なの。ほら、おいで」

透は初めハテナマークを頭の上に浮かべていたけれど、照れくさそうにちょこちょこ寄ってきた。

ポスッ

「はー、あったかい柔らかいイイ匂い」

『なんか……銀ちゃんいつもより甘いね』

「そりゃそうだろ。ここ数日透に触れてないわけだし」

『フフ、あたしも銀ちゃんとくっつけなくて寂しかった…大好き』

俺の胸に頭をくっつけている透は可愛くてしょうがない。

「上向いて」

『?………んっ…』

久しぶりの透の唇の感触も、俺の理性を崩壊させる。

「なァ?」

『…ふ、な…に?』

「明日までずっと透を満喫しても、」

『あたしも。銀ちゃんとラブラブしてたい、です』


結局、俺達は離れることは出来ないんだ。まぁ、離れるつもりなんて全くないけど。

大好きだから、な。





disappearance…?

キミからは決して消えないよ


→おまけ

prev next

back


- ナノ -