鬼斬 | ナノ






第六訓
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今日もいつも通りの平和な江戸です。



歓迎会の次の日。
私はいつのまにか眠っていたらしく、めちゃくちゃ焦ったんだけど心配していた事は起こらなかったらしい。ただ1つ気になるのが、やたら隊士の皆が怯えた目で私を見てくること。ったく私は何しでかしたんだか……。


歩いていると、電柱によじ登っている人がいてその周りにも沢山の人がいた。

「こらァァァ、何やってんだ近所迷惑だ。降りてこいコノヤロー!!」

うわ…。
迷惑な人もいるもんだな。

「お巡りさんおちつけェェ!!俺は泥棒は泥棒でも恋泥棒さ!!」

いやァァ!!
キモッ、無駄にカッコつけてるのがまた痛い。

私はどんな奴か顔を見るために、顔を上げた。

『……』

なんかあの人見たことあるぞ?

『……』

もう一度見ても変わらなかった。近藤さん…何してるんだ……。

私は結局知らんぷりすることにした。こんなんに巻き込まれて私も変人扱いされるなんてもっての他。

立ち去ろうと後ろを向いたのに……

「悠じゃないか!オーイ、見回りかァ?」

話しかけてきたァァ!!
無視、無視だ。
他人のふりをしよう。

「ん?人違いか…」

よかった。
これで帰れる……

「あ、悠さんじゃないですか」

え…
なぜに新八くん?
てか、バレた。

ドサッ

そして、近藤さんが落ちてきた。
















『ストーカーですか!?』

今、私は志村家に入れてもらっている。聞かされた話はなんとも以外なものだった。

「まだそうとはわからないんだけれど…」

新八くんのお姉さんのお妙さんは、私の隣で気絶している近藤さんに目をやる。

「でも、この人が真選組局長だなんて…本名で呼ばなくてよかったです」

『ありがとうね』

お妙さんは、既に私のことは知っていたらしい。
とても優しくて綺麗な方だと思った。

「蘭ちゃんも女の子の格好をしたいときもあるでしょう?そんなときはここに来て。それに私のことはさん付けなんてしなくていいわよ」

『じゃあ…お妙ちゃん!!』

「えぇ」

ニコッと笑ったお妙ちゃんはやっぱり可愛い。近藤さんの気持ちもわからなくはないけど、

『近藤さんにはちゃんと言っておきますんで!』

近藤さんが生き返ったら、しっかり注意しよう。

そう決意して、志村家を出た。













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