鬼斬 | ナノ






第一訓
――――――――
ガサゴソ…

『…なにやってんすか』

「バレちまったかィ」

朝、起きたらまた知らない人が私のカバンをあさっていた。







「悠、お前にはコイツと戦ってもらう」

あの後土方さん達が来て、カバンから手を離してもらえたけど…

「悠、よろしくお願いしまさァ」

この人なんかニガテだ!!寒気がする…。

『よろしくお願いします。あの…お名前は』

「沖田総悟」

『沖田さん、お手柔らかにお願いします』

でもここで負けるわけにはいかないからね。






ダンッ

床を蹴る音が軽快に聞こえる。2人の周りには近藤や土方、沢山の隊士。

「んな正面から向かってきても、…!!」

沖田の前には、先ほどまでいた悠が消えていた。

『どっち向いてるんですか?』

蘭は沖田の背後に回り構えていた。

そして竹刀を振り上げる。

「言っただけのことはありまさァ。でも…」

が、沖田はなんなく受け止めてしまった。

「まだまだ」

そして彼女を吹き飛ばした。

『…ったぁ』

「勝負ありやしたね」

『そっちこそ……まだまだですよ』

気が付けば今度は沖田が吹き飛ばされていた。

「いってー…」

『なめないで下さい。人は見た目によらないって言うじゃないですか』

悠は沖田に笑いかけた。

「よし、そこまでだ。君の実力は十分わかった。」

近藤は悠のもとへ歩いてゆき、手を出した。

「悠はこれから俺達の家族だ!」

『ありがとうございます!』

彼女はその手をかたく握った。









「手、抜いてただろ」

「少しは抜いてましたが、相手も…そうだったみたいでさァ」

「そうか…」

「悠に、見張りをつけるんですかィ?」

「まだ信用なんねーだろ。近藤さんには言うなよ」

「はいはい。あと悠を一番隊に入れてくだせェ」

「まぁあの強さだからな」

「…そうですか」

カチャ…

「今カチャって音しなかったか……」

ドカーン

「これから楽しくなりそうでさァ」













prev next






4/58

- ナノ -