第十一訓
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「どうしたんでィ」
目の前には混乱した1人の隊士がいた。
「沖田隊長!…悠がいきなり倒れまして…っ」
「悠?」
覗きこむと確かに悠が眠るようにして倒れていた。
「お前、今から行かねェとダメなんだろィ?」
「そうですが、悠を運んでからにしようと…」
「俺が運んどいてやらァ」
「え!?…いいんですか?」
まァ、こいつには色々話もあるしな。
「では、悠が目覚めたら大事にしとけよ、と伝えておいてください。よろしくお願いします!」
俺にそう言うと走って屯所から出ていった。
やれやれ。男とは思えないほどの軽さに若干驚きながら、医務室へと運んでいった。
…さらなる衝撃が待っているとは知らずに。
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