第十一訓
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「悠ー!」
『すみません!』
未だ覚醒しきっていない身体を奮い起たせて走った。寝坊してしまったのだ。
昨日、ばれた時の不安から思わず涙を流してしまった。しかもなかなか涙は止まってくれなかった。結果、夜更かしに繋がってしまったのだった。
もう、そろそろなんだろうなぁ。アレが切れるのも。
不安だけれど、どうすることも出来なかった。クスリを手に入れる為に真選組に入ったのに、入手ルートが教えられるわけでもないし、この人達に対して必要以上の感情を抱いてしまっている。大事、になっている。
「早くしろ!副長に怒鳴られるぞ!」
「今行きます!」
クスリが切れた時、私は暴走するんだろうか。倒れるんだろうか。迷惑かけないように、ここからやはり姿を消さなければ。
そう考えた瞬間、全身から力が抜けた。
……あれ?……まさか!
「…おい、悠!?どうした!どうしたんだ!?」
遠くの方で隊員さんの焦った声が聞こえる。
ヤバい。これは一番ヤバいパターンじゃない。
もしかしたら、女とばれる!
しかし、意識は次第に闇へと流されてしまった。
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