鬼斬 | ナノ
第九訓
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『すいません、やっぱり電話出てきていいですか?』
沖田さんはもう10回ほどかけなおしている。さすがにね、10回ともピッタリになるのはおかしいだろってなるからね。一旦、逃げて電話に出ることにした。
『はい、』
《悠、なんでこんなに出なかったんですかィ?》
『えーと、ですね。………沖田さんはこんなちっぽけな事を気にする男じゃなかったはずです』
《悪ィね。俺ァちっぽけな事も気になっちまう男なんでさァ》
『……そんなに俺の日常生活気になります?』
《気になる気になる》
『かかか彼女と遊んでて…』
《か多すぎだろ》
『それより、何の用ですか?』
《話そらしやがったな。今悠に似てる女がいるもんだから、今すぐこっちに来なせェ》
『命令形!?わかりましたよ………って無理です!!』
《はぁ?》
『すいませんが無理です』
《……今すぐ自分を撮って、送りなせェ》
『え、なんでですか』
《いいから》
『無理です』
《まさか女装なんてしてねーよな?》
『な、何言ってるんですか。そんなわけないじゃないですかー』
《だよなー。写メ送れ》
『………』
―5分後―
《なんだ、別にやましいことないならすぐ送らァよかったのに》
『やましいことなんてないに決まってるじゃないですか』
《ふーん》
『じゃ切ります』
《へいへい》
『危なかった…。つかセリフばっかすぎるだろ』
(急いで化粧おとしてウィッグもとって…間に合ってよかった)
てなわけで私は真選組を放ってお妙家に行き、着替えて屯所に戻ったのであった。
自室に入ったら沖田さんが部屋を荒らしていたのには、驚きました。
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