鬼斬 | ナノ






第九訓
――――――――
『展開早すぎじゃね?』

「大丈夫よ。私たちに出来ないことはないわ」

『お妙ちゃんの権力で、だよね』

今、私たちのいる場所には天井のかわりに青空が広がっている。まぁ、つまりは外にいるってこと。

化粧をされたあと、銀さんと神楽ちゃんに新八くんが来て無理矢理外に連れ出された。

『やっぱり外はやめにしませんか』

「なんでそんなに嫌がるネ?」

『だーかーら!さっきから言ってる通り、真選組に会う可能性があるじゃないですか!!』

「大丈夫だって。ウィッグ+帽子も被ってるじゃねーか」

『でも…、』

「心配しないで、今日は女の子として買い物を楽しみましょう?それに何かあったら……私があの人達の目を潰すわ」

………。

こわい、こわいでございます。お妙さま。

というわけで、私はズルズルと引きずられていきました。













銀さんと新八くんの両手には沢山の荷物。

ほとんどがお妙ちゃんのもので、私のものは1割ほど。でも久々の買い物は楽しくてとてもいい気分転換にもなった。

『今日は楽しかったー』

「でしょう?たまには息抜きも必要よ」

帰り道、安心しきっていた私は前方から歩いてくる男達を見て足を止めた。

だってほら、見覚えがありますから。

「…?どーした、蘭」

「旦那じゃねェですかィ」

「最悪な奴と会っちまった…」

「お妙さぁーん!!」

なんでこんなバットタイミングに…。

「あら、ゴリラが何の用かしら。退いてくださらない?」

「お妙さん!!こんなところで会うとはやはり運命ですかね!」

「ゴリラには人の言葉は難しかったのかしらね。人の話を聞け」

近藤さんとお妙ちゃんが言い合いをしているうちに私は逃げようとコッソリ足を一歩後ろに出した。

――ツルッ

あ…私のバカァァ!!

――ドン

一斉に視線が私に向きました。

「アンタ誰でィ?見ない顔でさァ」

『……(お尻がッ);;』

「わ、私のいとこなの。初めて江戸に来て緊張してるんだわ」

「ほォ。じゃあ、なんで俺ら見たとたん逃げようとしたんだ?」

見られてたァァア!!

「こわかったんじゃねーの?んな、ゴリラいたら誰だってビビるだろ」

「え、俺のせい?」

私は依然地面にお尻をつけたままの状態。

『マ、』

「マ?」

『マヨ臭かったので!!』

咄嗟に出た言葉がコレだった。

「……ブッ、アハハハー!!!」

「流石でさァ、土方さん。それなら逃げたくなるのもわかるねィ」

「キモいアルー!!!ブハハー」

散々バカにされた土方さんはプルプルと震えている。

あー、やっちまったかも。

「てめーら……いい加減に、」

――ボタッ

『(ボタッ?)』

「マヨ方ぁ、肩にフン落とされたアルね…ぷっ」

耐えきれませんでしたね。笑いましたよ、爆笑。











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