鬼斬 | ナノ






第九訓
――――――――
『おぉ、結構デカく新聞に載ってますよ』

広げた新聞には真選組がデカデカと写っていた。

「総悟の破壊以外で新聞にデカく載るのは久々だな。」

向かいの席に座っている土方さんはいつも通りマヨネーズをぶちゅぶちゅと尋常じゃない量をかけている。

「悠!!」

私がそろそろ朝食も終えて自室に戻ろうと席を立ったとき、山崎さんに名前を呼ばれた。

「旦那から」

差し出されたのは電話。

なんだろうと疑問に思いながら、一応山崎さんに礼を言って電話を受け取った。

『何ですか』

《お前、今日暇か?》

『え?今日は…非番だし何もないから……はい、暇です』

《じゃあ、お妙んち来い。家は知ってんだろ、ゴリラ迎えに行ってるみてーだし。じゃーな》

――ブチ、ツーツー

ものすごく一方的な電話だったけど。まぁ、いっか。そうと決まれば支度をしなくては。

『土方さん出掛けてきます』

「あぁ」

出掛けるときに報告するのかわかんないけど言っておいた。

「悠これ持ってけ」

いきなり投げられたのは携帯。

「仕事が入ったらそれで連絡する」

あー、なるほど。

というわけで、私が冷や汗かきまくることになる1日の始まり始まり。











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