鬼斬 | ナノ
第九訓
――――――――
『おぉ、結構デカく新聞に載ってますよ』
広げた新聞には真選組がデカデカと写っていた。
「総悟の破壊以外で新聞にデカく載るのは久々だな。」
向かいの席に座っている土方さんはいつも通りマヨネーズをぶちゅぶちゅと尋常じゃない量をかけている。
「悠!!」
私がそろそろ朝食も終えて自室に戻ろうと席を立ったとき、山崎さんに名前を呼ばれた。
「旦那から」
差し出されたのは電話。
なんだろうと疑問に思いながら、一応山崎さんに礼を言って電話を受け取った。
『何ですか』
《お前、今日暇か?》
『え?今日は…非番だし何もないから……はい、暇です』
《じゃあ、お妙んち来い。家は知ってんだろ、ゴリラ迎えに行ってるみてーだし。じゃーな》
――ブチ、ツーツー
ものすごく一方的な電話だったけど。まぁ、いっか。そうと決まれば支度をしなくては。
『土方さん出掛けてきます』
「あぁ」
出掛けるときに報告するのかわかんないけど言っておいた。
「悠これ持ってけ」
いきなり投げられたのは携帯。
「仕事が入ったらそれで連絡する」
あー、なるほど。
というわけで、私が冷や汗かきまくることになる1日の始まり始まり。
prev next
36/58