鬼斬 | ナノ
第九訓
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『沖田さん、これなんスか?』
「蛙の丸焼き」
『へぇ、そりゃおもしれェや』
「…そりゃあ、俺の物まねかィ?」
『やっぱバレますかね…どうしよ』
沖田さんの口調真似して男っぽく、と思ったけどこの人は特徴ありすぎて駄目だな。
――パチパチパチ
「何してんのォォォォォ!!お前ら!!」
「大丈夫大丈夫死んでませんぜ」
『てか俺も入れないでくださいよ。面白いなって思っただけだから』
「んなの貴様も入ってんじゃねーか……もぺ!!」
『黙ってくれませんかね、ガマさん。俺だってアンタの言動には苛ついてるんですよ』
私は蛙の野郎の口に木を突っ込んだ。
「土方さん。俺もアンタと同じでさァ。」
沖田さんも私に続いて、口に木を入れまくる。
「早い話ここにいるのは近藤さんが好きだからでしてねぇ。」
フッ、と沖田さんが笑った。
『俺…ここに入ったばっかなんですけど!皆が近藤さんについていくのがわかる気がします!!…それに何よりここの人たちは……』
それより先を言いそうになった。
『すいません、べらべらと』
「いや、悠何言おうと、」
――チュイン。ザザザ
土方さんの話の途中で攘夷志士達が続々と乗り込んできた。
「天誅ぅぅぅ!!奸賊めェェ!!成敗に参った!!」
「おいでなすった」
「派手にいくとしよーや」
『久々に暴れていいですよね』
走り出そうとしたとき、後ろから声がした。
「まったく喧嘩っ早い奴等よ。トシと総悟と悠に遅れをとるな!!バカガエルを護れェェェ!!」
「「「「「いくぞォォォ!!」」」」」
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