鬼斬 | ナノ
第九訓
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「えーみんなもう知ってると思うが。先日、宇宙海賊"春雨"の一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けコノヤロー、なんと奴らを壊滅させたのはたった三人の侍らしい……」
「「「「「え"え"え"え"え"マジすか!?」」」」」
「しらじらしい。もっとナチュラルにできねーのか」
言っておくがこれはTake2であって部屋は先程土方さんが発砲したバズーカでめちゃくちゃだった。
てか近藤さん話長過ぎだろ。
「真選組の出番だ!!」
あ、近藤さんが決めてるけど私話全然聞いてなかったよ。どーしよ内容全くわかんねーじゃん。……私ホントキャラ変わってきたかも。
『ちょ、沖田さん』
「…なんでィ?」
『今から何するんですか?』
「悠話聞いてなかったんですかィ。今からは……」
……え?話急に途切れましたけど。アイマスクつけて完璧寝てますって感じなんですけど。…そもそも沖田さんがちゃんと聞いてるわけないか。
「こんの野郎は…」
気づけば隣に土方さんが来ていた。
『土方さん、今から何するんですか?』
「悠、てめー聞いてなかったのかよ…」
一瞬怒られるかと思ったのだけど逆に呆れられた。
「幕府の官僚の警護だ、持ち場は向こうだからさっさと行け」
『はい』
私は急いで持ち場に向かった。アレだからね、私真面目だからね。
『暇ぁ……』
一向に敵は来ない。
見張ってても意味なくね?とまで思ってしまった。
ふと考えた。
私って普段口調がちゃんと男っぽくなってんのか。
……前に銀さんに言われて気をつけてるつもりだったけど、
『うん、もっと気をつけねぇと』
――ドォォォン
「局長ォォォ!!」
突然の銃声と騒がしさに何かあったのだとすぐにわかった。
急いで私は近藤さんのいるはずの場所へ向かう。
「フン、猿でも盾代わりにはなったようだな」
到着すると蛙みたいな天人がそう言っていた。
――ガッ
「止めとけ、瞳孔開いてんぞ」
初めてみた沖田さんの雰囲気に近藤さんへの気持ちがわかった気がした。
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