鬼斬 | ナノ
第七訓
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ドシャアッ
「銀さーん、てめっ遊んでたらギャラ払わねーぞ」
「うるせェハゲェェェ!!警察呼べ警察!!」
「俺が警察だよ」
銀時が斬られたところからは絶えず血が流れている。
「あ…そうだった。世も末だなオイ。アイツもこんなところにいるなんて銀さん心配だわ」
「さっきから何言ってんだ」
銀時は立ち上がり、剣を鞘から抜いた。
「(フン…いよいよくるかよ。命のやりとりといこうや!!)うらァァァァ!!」
斬った、と土方は思った。だが、斬ったのは銀時が肩からかけていた手拭い。
その間に土方の横には銀時が回っていた。
「(かわされた、斬られ…)」
ザゥン
カラン―…
銀時が斬ったのは土方ではなく、土方の持っている剣だった。
「はァい終了ォ。いだだ、おいハゲェェ!!俺ちょっと病院行ってくるわ!!」
「待てェ!!…てめェ情けでもかけたつもりか」
「情けだァ?そんなもんお前にかける位ならご飯にかけるわ。喧嘩ってのはよォ、何か護るたむにやるもんだろが。お前が真選組護ろうとしたようによ」
「…護るって、お前は何を護ったってんだ?」
銀時は振り返った。
「俺の武士道と蘭からの信用、だ。じゃーな」
この2人の戦いを他の場所から見てる者達がいた。
「…フフ面白ェ人だ。俺も一戦交えたくなりましたぜ」
『……フッ…』
「やめとけお前でもキツいぞ総悟」
『あの人は刃合わせてても、全然別のところで戦ってるよーな人ですよ』
変わってないなぁ、蘭は懐かしそうに笑った。
「ワリぃ近藤さん。俺も負けちまったよ」
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