鬼斬 | ナノ






第四訓
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〜屯所に連れて行かれる最中の話〜






「それにしても蘭綺麗になったなァ」

『はぁ!?い、いきなり何!///』


ちょっと見掛けねェうちに綺麗になったもんだなと思う。ちゃんとした女の格好もさせてやりてェな。

「ホントに男って思われてんのか?」

『多分…』

下を向いてしまった蘭を見て思う。

「笑えって」

『え、んなこといきなり言われても…』

「あ。銀ちゃんが蘭にセクハラしてるアル」

「銀さん何やってんですか!!」

「は!?やってねーよ!神楽は何をどう見てんだ!」

「女の子が嫌がることやってたらセクハラネ!」

「嫌がることやってたんですか!!」

「やってねーよ!!」

俺達が言い合いをしていたら、ハハッという声がした。

『面白いね!万事屋の皆は』

目を細めて笑う蘭に俺は思わず見惚れてしまった。

『?』

「蘭ー!可愛いアル!」

神楽は抱き付いている。

「……///」

新八は頬を染めて静止。

俺は…、


「やっぱさっき言ったこと訂正するわ。チンピラ集団になるべく笑顔は見せないことォ」

『銀さん、全くもって意味わかんないよ』


俺もなんでこんな事言ったのかわかんねェ。でも、蘭の笑顔に心が奪われてしまったのは確かだったから。

『着いた。さぁ頑張ってくださいよ』

いつかはきっと蘭が女だってバレるだろう。

「蘭酷いネ!!」

『ちょ、悠って呼んで!』

この日は俺が初めて蘭が欲しいと思った日。









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