鬼斬 | ナノ






第三訓
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『ここ…が』

襖を越えて向こう側に攘夷志士達がいるらしい。ヅラさんも。

バン!

「御用改めである。神妙にしろテロリストども」

先頭の土方さんに続いて、続々と隊士達が入って行く。

「しっ…真選組だァっ!!」

「イカン、逃げろォ!!」

そして…いた。
まだ私には気づいてないらしい。男装してるからそりゃそうか。

「1人残らず討ちとれェ!!」

テキトーに下っぱ殺しとくか。








ドゴン!

「生きてやすか土方さん」

「バカヤローおっ死ぬところだったぜ」

『惜しかったっすね』

「オイッ!」

「副長!奴らが隠れてるところがあります」

「連れてけ」


隊士の1人に連れられて行くと、もう既に数名の隊士が集まっていた。

「オイッ出てきやがれ!」

「先ほどからずっと呼び掛けているんですが…」

早く出てきてくれないかなー。

『中で何やってんですかね…』

やれやれと頭を掻いていたら、皆さんバズーカ出しちゃいました。

「オーイ出てこーい」

「マジで撃っちゃうぞー」

なんか喋り方うざっ。

「土方さん夕方のドラマの再放送始まっちゃいますぜ」

「やべェ、ビデオ予約すんの忘れてた」

こっちに至っちゃ全くやる気ねーな。

「さっさと済まそう発射用意!!」

マジで撃つんだ。
てかヅラさん死んじゃう!!

『ちょ、もうちょい待ったらどうです?』

「あぁ?こちとらドラマ見ねェといけないんだよ」

『なるべく和解したほうがいいんじゃ、』

ドゴォォン!

『「「!!」」』

「なっ…何やってんだ止めろォォ!!」

出てきました。頭爆発してる人とかが。

「止めるならこの爆弾止めてくれェ!!爆弾処理班とかさ…なんかいるだろオイ!!」

しかもコイツ爆弾持ってるゥゥ!!

「おわァァァ爆弾持ってんぞコイツ」

「ちょっ待てオイぃぃぃ!!」

逃げ惑う隊士達、その間にも時間はどんどん減っていく。

「銀ちゃん、歯ァくいしばるネ」











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