『トッシーッ!!』
俺には今1つだけ悩みがある。
それは、
「あ?」
『なんだトッシーじゃなくて土方さんですか。失礼しました』
俺の好きなコイツが俺よりもトッシーに懐いていることだ。
『土方さん!』
「…なんだ?」
『トッシーってなにか好きなものありますかね?』
「そりゃ…あるはあるだろ」
『はぁ、こういうときは何が好きかを言うもんですよ』
アイツの好きなもんなんて教えたかねーんだよ。
「アイツにプレゼントすんのか」
『はい!日頃お世話になっているお礼で』
「俺は?」
日頃お世話になっているお礼、なら俺にだって貰う権利はあるはずだ。だってお前の上司だろ?
『あ、それは、えーと、』
妙に動揺している。なんなんだ?と思っていたら総悟の声がした。
「なんか菓子貰ったみてェだがそん時俺居なくて悪かったねィ」
『沖田さん!』
「菓子…?」
「土方さん貰ってねェんですかィ。隊士は全員貰ってやすぜ?」
『ちょ、それは』
そんなに俺が嫌いかよ、言いそうになった言葉を飲み込んで足早にそこを去った。
ったく。イライラする。他の女ならこうならないがアイツだから貰えないのが悔しい。
「俺がなんかやったかよ…」
そろそろ仕事に集中しようと思っていた時だった。
『失礼します』
「……トッシーじゃねーぞ」
『今は土方さんに、です』
「なんだ」
やけに緊張している風に見える。
『土方さんにいつもお世話になっているお礼として何か贈りたいのですが、何がよろしいでしょうか』
さっきの話題のものだった。
「贈りたくねーなら別に無理しなくてもいいんだぞ」
『違います!!!…あ、大きな声出してしまってすみません』
シュンとしたのも一瞬で今度は俺の目を見てきた。
『土方さんには、特別なものを贈りたかったんです。本当は直接土方さんには聞かない予定だったんですが…』
「……」
『嫌なんかじゃないんです。土方さんは特別なんです』
真っ赤な顔で言われたら期待しちまうじゃねぇか。
お‖ま‖け
「土方さんとはうまくいったかィ?」
『うまくいったかはわからないですけど、順調だとは思います。ていうか沖田さん!』
「なんでさァ」
『あれ嫌がらせですか!あんなこと言うから土方さんが変に勘違いを、』
「いつまで経ってもグダグダしてそうだったから手助けしてやったんでィ」
『うー…』
*沖田さんは主人公ちゃんを応援してあげています。
「いくらトッシーを使って会話見つけようたって無理があらァ」
『はい……』
← →