『何してるんですか…』
「「「「「ビクッ」」」」」
適当に屯所を歩いていたら、隊士の皆さんが固まって何かをやっていた。
「なんだ…副長かと思ったぜ」
『副長じゃダメなことなんですか?』
「まーな、お前局中法度知ってるよな?」
『局中法度?なんすかそれ』
局中法度?
知らんぞ、そんなん。
「知らねーのか!?全部は覚えてないし面倒だから…」
私の前に差し出されたのは、ジャンプ。
「局中法度十二条、マガジン以外の漫画局内で読む事なかれ」
『……しっかり違反しちゃってるじゃないですか』
「だから見つからねーようにこうやってコッソリ読んでんだ」
『へぇ、でもこんな理不尽なの誰が考えたんですかね?』
「副長だよ。でもホント理不尽だよなぁ。自分の好み人に押し付け、……」
『ん?どうしました?』
いきなりタラタラ汗を流しだす皆さん。
「悪かったなァ、自分の好み人に押し付けて」
『あれー…』
私の後ろに居たのは鬼の副長様でした。
「でもてめーらは局中法度に違反した……切腹だァァァ!!」
「「「「「ギャー!!!」」」」」
――ドタドタ…
『言っときますけど、俺読んでないですからね』
その言葉を肯定ととったのかはわからないけど、土方さんはゆっくり煙草の煙を吐き出した。
『これ、土方さんが回収するんですよね?』
「あぁ」
『じゃあ持ってください』
「?」
私を何か疑いを込めた目で見ながらも土方さんはジャンプを手に取った。
『準備かんりょーですッ!』
「何がだ…?」
そして私は走って土方さんから遠ざかった。
――ドォン!!
『何もこんな凝ったことしなくてもよかったんじゃないんですか?』
「土方抹殺できるならなんでもいいんだがねィ。どーせなら読者の為にも始めっからやった方がいいだろ」
『?……よくわかりませんが、俺はこれでもういいですよね』
「今からは俺と見廻りだけどねィ」
『……逃げないでくださいよ』
「♪〜」
『ちょっと!!』
鼻歌を歌いながら、行ってしまった沖田さんを追いかける。
こんな毎日が本当に充実してるなぁと思います。
『土方さん生き返ってきたらどうするんです?』
「アンタが全部悪いってことにしときまさァ」
『は!?…やめてください!殺されます!』
「そう簡単には死にゃしやせん」
日常はこんな感じ。
そして土方さんはなかなか死なない。
……確かに沖田さんの言ってたことは当たってるかも。
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