まぜまぜ。 更新履歴には書きません
『アンタってさぁ、恋愛したことあんの?』
「……、は?」
正直…、何言ってんだこのアマ、と一瞬思った。そして、顔にも出てたと思う。
コイツがニヤリと笑ったから。
『ラビのはさ、恋愛ごっこでしょ?』
俺は、レンアイをしてきたつもりだ。それなりのこともした。甘い言葉もキスもそれ以上も。
それのどこが恋愛ごっこになるんだ。
『今まで付き合ってきた女の子、ちゃーんと愛してたって言えるんだ?』
さっきから…質問ばっかでウザい。
「ちゃーんと愛してたけど」
俺の彼女だった子は可愛い子ばっかだったし。
好きだったし。
でもなんで、違和感を感じるんだろうか。
『へぇ…愛してた、ね。まぁ今どき珍しいことではないけどさ。あ、昔もか』
何がだ、と言おうとする口を押さえる。
彼女の言いたいことは理解している。
「そんなもんだろ、恋愛なんて」
素晴らしく美しいストーリーなんて、一握りもないんだろう。そんなこと、頭で理解はしても本能は理解出来ていない。
口で自分に言い聞かせるしかないんだ。
『ラビはそう思うのね』
フッ、と口元をゆるませた彼女は俺を射ぬく様に見た。
『あたしは信じてる。甘いのかもしれないけどね。信じなくなってしまえば、もうそれで終了でしょう?』
確かに終了。ジ・エンド。
けれど俺にはそんな勇気なんてない。
「……」
『じゃあさ』
黙っている俺に彼女は柔らかく笑う。
『賭け、しよ』
「賭け?」
あたしが勝ったら、 (アンタをあたしのモノにするから)
「賭け?」
『そう』
「何を賭けるんさ?」
『んー、じゃあ。アンタがこれから1年で本気の恋が出来るかどうか』
「で、俺が負けたら?」
『……負けたときのお楽しみ』
----- この話、始めはDグレshortの方に書いてたんですけど、長さとか内容とかオチの問題でこっち(まぜまぜSS)に移動しました(´`)
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