それは甘い
パンケーキ
のように






 ヒーロー部――それは世界の中心に存在するW学園において、たったひとりが在籍している部活動。名称からして生徒会長のアーサーには怪訝に思われているヒーロー部だが、その活動内容は多岐に渡る。
 たとえば校内での人助けに――弱いものを救うのはヒーローの使命さ!――パトロール――悪いやつは俺が倒すぞ!――事件が起きたら真っ先に駆けつけたり――遅れてやって来てもいいんだけどね!――他の部活に顔を出したり――まさに助っ人なんだぞ!――などなど。正直どれがメインの活動なのかは自分でもよく分からないのだが、とにかく唯一の在籍者であるアルフレッドが『ヒーローらしい』と思う活動は、だいたいヒーロー部の部活動として扱われている。
 
「だから、花のお世話もヒーローの仕事なんだぞ!」
 と、今日のアルフレッドは園芸委員会の手伝いをしていた。
 毎日の水やりに適切な温度管理、季節に合わせた植え替えなどをはじめ、花壇の土を整えたり雑草を抜いたりと、花の世話は思っているより体力が要る仕事だ。女子や線の細い男子が多い園芸委員会は、時折アルフレッドが手伝いに来ると皆揃って喜んでくれる。やはり誰かを助けた時の笑顔こそがアルフレッドへの何よりの報酬なのだ。
「――とはいえ、一人で全部請け負いすぎちゃったなぁ」
 もう夕日は沈み始め、薄暗くなってきた中庭でアルフレッドは土混じりの汗を拭う。
 新しく花を植えるらしい花壇の整備を頼まれたアルフレッドは、かれこれ1時間半くらいは作業をしていただろうか。しばらく使っていなかったために落ち葉や枯れ草で溢れていた花壇も、それらを除き砂を流し土を入れ替えれば見違えるほど綺麗になった。これなら明日にでも花が植えられるだろう。これでいいか、とアルフレッドは立ち上がり、すっかり黒くなった軍手を外した。
 園芸委員会の面々は早くに帰ってしまったから、残っているのはアルフレッドひとりだ。細かい砂を全面にまぶしたようになってしまっている手を水道でよく洗い、ついでに肩からかけていたタオルを水で濡らすと土のついた顔を拭う。もうずいぶん遅い時間だろう。早く寮に帰らなければ。
 アルフレッドが鞄を持ち上げようとしたとき、何処からかふわりと漂ってきた匂いが、アルフレッドの腹の虫を鳴らした。
 美味しそうな匂いがする。そうこれは、少し甘くて、蜂蜜のような――。
 
「パンケーキだ!」
 と叫びながら開いたのは、中庭の北に面している調理室――美食部の活動拠点の扉であった。
「あいや!? なっ、何あるか!?」
 突然現れたアルフレッドの声と姿に肩を跳ねさせたのは、赤いエプロン姿の部員。アルフレッドの知り合いである、アジアクラスの耀だった。彼の持つ白くて大きい丸皿に、少し小ぶりなパンケーキがほかほか積み重なっている。
「匂いの正体はそれだなー! 中庭まで匂いがしてきたぞ!」
「あぁ……ほんとにこれに釣られたあるか」
 あっけに取られていた耀が納得して視線を落としたとたん、またアルフレッドの腹の虫が鳴る。「……半分食うあるか?」と持ち掛けられれば、もちろんアルフレッドは縦に大きく頷いた。
 
「フランシスとサディクはどうしたんだい?」
 たっぷり生クリームと蜂蜜をかけたパンケーキを頬張りつつ、アルフレッドは訊ねた。
 美食部は中華料理の得意な耀とフランス料理のフランシス、トルコ料理のサディクの三人で成立している部活動だ。美食探求のためにだいたい何時も三人で活動しており、アルフレッドのように美味しそうな匂いにつられてやって来る生徒も加わって調理室は賑やかなことが多いのだが、今日は珍しく耀とアルフレッドの二人きりであった。
「フランシスは生徒会の仕事ね。サディクはよく分かんねーある」
 蜂蜜を少し垂らしただけのパンケーキを食べ、何かノートに書き留めながら耀が答えると、アルフレッドはさらに生クリームを足しつつ「そっかぁ」と相槌を打った。
「ところでこのパンケーキ、すごく美味しいぞ!」
「そりゃ何より……って、そんなに生クリーム乗せたあるか!? パンケーキ見えてねーある!! 体に悪いあるよ!!」
「そうかい? このくらい乗せるのが一番美味しいんだけどなぁ」
「もうパンケーキじゃなくて生クリーム食ってるのと同じある!」
 まったく! と耀はアルフレッドの皿から生クリームをすくい上げて自分の皿へ分けた。アルフレッドがエベレストのように積み上げた生クリームの前ではひとすくいなど微々たる量ではあるが。
「いくらお前でも、こんなに食べたら気持ち悪くなるある。加減を知るよろし」
「んー、これでも遠慮した方なんだけど……ところで、なんでパンケーキを焼いてたんだい?」
 耀の説教は長いので、アルフレッドはさらりと話題を変える。耀はクリームを塗り広げながら、「気分が乗らねかったあるよ」と曖昧に返事した。
「やっぱり、フランシスとサディクの視点も併せて、三人で美食を探求するのが部の真髄あるからな。だから今日は、まぁ……より美味しいパンケーキを一人で追い求めることにしたある」
「へぇ、ということは、これは試作品なのかい?」
「そうあるよ。一枚一枚、ちょっとずつ何かを足したり、組み合わせてみたりしてるある。――おめーに聞いてもどうかと思うあるが、味の違いとかは」
「全く分からないぞ! 全部生クリームと蜂蜜の味しかしないからね!」
「……予想通りある」
 呆れ顔で耀はパンケーキを食む。
「もう遅いから、これ食べたら早く帰るよろし」
「君は帰らないのかい?」
「夕飯作ったら帰るある。パンケーキ以外に、新しい料理の試作も兼ねて」
「中華かい?」
「そうあるね」
 訊ねなくとも耀が作るのはほとんど中華料理だが、中華料理はアルフレッドも好きだ。寮でも夕食は出るけれど――こんな機会もそうないだろうから。
「なあ、それ俺も食べたいんだぞ!」
 なんて持ちかけてみたら、耀は豆鉄砲でも喰ったような顔をしつつ、少し間を置いてから頷いてくれた。ただし、「調理の邪魔はすんなある」との条件付きで。
 
 アルフレッドが寮に連絡を入れ、パンケーキを平らげてから、耀は夕飯の支度に取り掛かった。
「それで、今日は何を作るんだい?」
 邪魔にならないところに、と言われたアルフレッドは調理テーブルのそばの丸椅子に座り、耀の背中に問いかけた。
「試作あるから何と言われたら困るあるが……お前もいるなら、たくさん作っても平気そうある。パンケーキくらいじゃあ、まだ腹一杯にはなってねーあるな?」
「もちろんさ! まだお腹ペコペコだぞ!」
 振り返った耀は「ならよろし」とくすりと笑い、調理室の隅に置かれている大きな冷蔵庫を探った。彼ら美食部の使用する食材が仕舞い込まれているらしいが、耀はその中のいくつかを取り出して扉を閉める。
「パンのほうがいいあるか?」
「うん? パンでもライスでもなんでもいいぞ! 君の料理は全部美味しいから!」
「うんうん、もっと褒めるよろし」
「俺の家のジャンクフードの次に美味しい!」
「……それはちょっと微妙あるね……」
「俺の中じゃパーフェクトな褒め言葉なんだけどな!」
 そんなやりとりをしつつ耀がテーブルに置いたのは、すでに仕込んでいたらしい手作りのパイ生地だった。それから耀の家の食材や調味料がいくつか。
「パイを焼くのかい? アップルがないぞー?」
「アップルパイじゃねーあるよ。具材はこれある」
 耀はもう一度冷蔵庫を探ると、今度は小鍋を取り出してきた。蓋を開けた中では、凝固した白い油の中に大きな豚バラ肉のブロックが覗いている。
「これは?」
「東坡肉ある。日本にも似た料理があるあるが」
「うーん、食べたことないなあ。あんまり美味しそうには見えないぞー?」
「あたりめーある。ここからあっためなおすあるからな」
 東坡肉の鍋を弱火にかけ温め直している間にも、耀はまた別の食材を次々机に広げ始めた。アルフレッドにはどれがどの材料なのかさっぱり分からないが、耀は包丁と中華鍋を駆使してあっという間に調理を進めていく。軽やかな舞にも見える耀の料理姿を見ているのは、なんだか一種の観劇のようだった。
 ――だが、“劇”があるなら舞台に上がりたいのがヒーローの性であり。
「耀、手伝うぞ!」
 とアルフレッドが言い出すまでにそう時間はかからなかった。
 
 こうなったら何を言っても聞かないアルフレッドのことだから、手伝いくらいならばと了承したものの、問題は彼がまともな料理などまるでしたことがないことだった。頼りない手つきで初めて包丁を握ったアルフレッドは、初っ端から人参と自分の指を同時に輪切りにしかねなかったので。
「右手に包丁。左手はこんなふうに、猫の手みたいに丸めて添えるある。あたりめーあるが、包丁で切るところからは離すあるよ。そうしたら、最初はゆっくり包丁を下ろして……」
 なんて初歩の初歩から耀が教え込むことになったのだが。
「こうかい!?」
 ダァンッ!!
 とまな板と共に輪切りどころか粉砕されてしまった人参を前に、耀の教育心は早速根元から折れそうになった。
「……アルフレッドはまず力加減から覚えるよろし」
 呆れつつ耀は、包丁を置いたアルフレッドの右手に自らの手を取らせた。
「アルフレッド、さっき包丁に込めたくらいの力で我の手握るある」
「いいけど、そんなことしたら君の手が砕けちゃうぞ!」
「よし分かったある。今おめーは我の手が砕けるくらいの力で野菜切ろうとしたあるね? それじゃ人参も粉砕して当たり前ある。だから――今度は我の手、軽く優しく、包むみたいに、握ってみるよろし」
「ん……、このくらい、かな?」
 アルフレッドは戸惑いつつ、そうっと耀の手を握る。
「そうあるね。切るのは一回だけじゃねーあるから、にぎにぎとか、もみもみとか、してみるある」
「……ああ」
 言われた通りにアルフレッドは耀の手を柔く揉んだり握ったりしてみる。
 もともと身長や体格もアルフレッドより一回りほど小さい耀は、手もアルフレッドより随分小さい。どことなく中性的な雰囲気のある耀は、女性のように細くすらりとした綺麗な指先をしている。骨張ってゴツゴツとした、男性的な自分の手の間から、艶やかできれいに揃えられた桃色の爪が覗く。
 そうしていると、なんだか。二人きりの調理室で行われるこの行為が、すごくいやらしいことのように思えてきて。
「耀、どうかな」とアルフレッドが急かせば、「上手あるよ」と耀は微笑み、
「このくらいの力加減のつもりで、包丁を握ってみるよろし。ただの野菜だとしても、優しく扱ってあげるあるよ」
そう促して手を離した。
 アルフレッドは包丁を握り、新しい人参にそっと刃を入れる。今度は粉砕されずに人参は丸い形でポトリと倒れ込んだ。
「そう、上手あるよ」
 先ほどの言葉を繰り返されたアルフレッドは、包丁の扱い方なんてものよりも――これから包丁を握るたび思い出すのだろう、耀の柔らかい手の感触に思考を奪われて。正直そこから先は記憶が薄いのだけれど、耀が気づかなかったのか、気づいた上で何も言わないでいてくれたのか――自分が耳まで赤く染めて、心臓が隣の耀にも聞こえそうなくらい高鳴っていたことだけは、確かだろう。
 
 食材を切るアルフレッドの隣で耀がてきぱき調理を進め、アルフレッドが気づいた時にはコロンとした大きさの東坡肉のパイ包みが六つ焼き上がっていた。それから炒め物が三種類と蒸籠が二つ。食材が入ったままのボウルがいくつかあるが、それらはまた別として夕食はこれで揃ったようだ。
「アルフレッド、その辺でいいあるよ。明日の分まで切ってもらったあるし」
「そうかい? ごめんよ、ちょっと不恰好かもしれないや」
「気にしねーでいいある。それより夕飯できたから、熱いうちに食べるあるよ」
 簡単に後片付けを済ませ、テーブルを挟み耀と向かい合うように座ったアルフレッドは、早速東坡肉のパイ包みに手を伸ばした。耀が蒸籠を開ける前に、可愛らしい大きさのパイをぽいと口に放り込む。
 東坡肉はいわゆる豚の角煮であり、耀が丁寧に仕込んだおかげで、パイ生地に包まれた分厚い豚肉は噛んだ瞬間ホロホロッと解ける。サクサクに焼き上がったパイ生地の香ばしさと、噛むたび溢れ出す肉汁の旨み。隠し味に加えられた生姜が味を引き締めて――
「……! はふぉ! はふぉ!」
「ん? ああ、パイ包み食べたあるね」
「ふもふほひひひほ!」
「……飲み込んでから話すよろし。何言ってるかわかんねーある……」
 じとっとした視線を投げる耀の手元では蒸籠に入った点心が豊かに湯気を立てている。
「むぐむぐ……ん! 耀! このパイすごく美味しいぞ!」
「ん、そりゃよかったある」
「この炒め物と、そのマンジューも食べていいんだよね!?」
「もちろんあるよ。……箸使えるあるか?」
「ちょっとなら!」
 そう答えるなりアルフレッドは次から次へと料理へ箸を伸ばし始めた。ぼうっとしていようものなら耀の分まで無くなってしまいそうな勢いだったが、
「こっちも美味い! これもいけるぞー!」
と笑顔で食べてくれるなら、それを止めるのも無粋だろう。
 手作りの料理を口いっぱい頬張るアルフレッドの様子を微笑ましく見守りながら、耀も箸を手に取った。
 
 少し多いかと思っていた料理もアルフレッドが全て平らげてしまったので、食べ終わった皿をシンクに置くと耀は簡単に白玉団子を作った。ほんのり甘いお湯の中に胡麻餡を包んだ白玉が浮かぶ、肌寒くなってきた夜にはぴったりのメニューである。先ほど放置していたボウルはこの材料だったのだ。
 食後で夜も更けてきたからか船を漕ぎかけていたアルフレッドは、目の前に器を置かれるとパッと目を覚まして甘いデザートに飛びついた。
「うん! これも美味しいぞ、耀!」
「ふふっ、お前さっきからそれしか言ってねーある」
「だって実際、君の料理は美味しいからね! なんでこんなに美味しいんだろうなあ」
「そりゃあ我の料理の腕が良いからで」
「そうじゃなくて! 君が作ってくれたんだなあって思うと、なんだか余計おいしく感じる気がするんだ。不思議だなあ、他の人に作ってもらった時にそういうことは無いんだけど」
「……は……、」
 さらりと言ってのけたアルフレッドに耀は目を見開く。
 彼の言葉を脳内で何度も反芻する。繰り返し、繰り返し、――そしてその意味を理解した途端どっと心臓が高鳴って、耀は慌てて緩い袖で口元を隠した。
「……そ、それは……、どうして、あるかね……」
 アルフレッドは白玉に夢中で気付かなかったけれど。身に付けたエプロンと同じくらい、耀の頬は赤く染まっていた。
 
 後片付けを済ませて校舎を出る頃には、校内はしんと静まり返っていて夜空には星が見えた。学生寮までの道のりを二人並んで歩く。普段より距離が近いのは、たぶん、気のせいではないだろう。
「今日はありがとう、耀。君の手料理でお腹いっぱいだぞ」
「我の方こそ、謝了。美味そうにたくさん食ってくれるのは嬉しいあるよ。また園芸委員の手伝いでもしたときに、美食部に寄ってけばいいある」
「うん、ぜひそうしたいけど……園芸委員会の手伝いしてたこと、君に話したっけ?」
「あ……っ」
 しまった、と言う顔をする耀に、アルフレッドはぱあっと花が咲くように笑う。
「見ててくれたのかい、耀!」
「ちっちげーあるっ、勘違いすんなある! たまたまちらっと見えてただけあるよっ!」
「あははっ、それでも嬉しいぞぉ!」
 澄んだ夜の空気にアルフレッドの声はよく響く。誰かに聞かれたらとんでもないと、耀は照れ隠しにアルフレッドの背を叩いた。
「あーっもう! ほら、お前の寮そっちある! とっとと風呂入って寝るよろし! 明天見!」
「うん、また明日! 今度また何か作ってくれよ!」
 アルフレッドは上機嫌なままひらひら手を振って分かれ道の向こうへ歩いていく。その背中をしばらく見つめてから、耀も自分の寮へ歩いて行くが――今日だけは、その帰り道に人影がなくてよかった。
(……こんな情けねー顔、誰にも見せられねーあるよ……)
 まだ熱い自分の頬に触れて、耀は大きくため息をついた。
 
「フランシスもサディクもいねーあるか……どうしたものあるかね……」
 誰もいない調理室で一人、椅子に座ってゆらゆら揺れながら耀はぼやく。美食部は他の二人がいないと、どうも活動に気が乗らない。
 単により美味い料理やその調理法を探求するだけならば一人でも出来るが、自分の料理を食べてくれる存在がいて初めて【美食】は完成する。これが耀の持論だった。普段はその役目を部員三人それぞれで補い合っているのだが、今日はそのフランシスやサディクがいない上、特に覗きに来ている生徒もいない。今日は帰って寮で夕飯を作るか、と思い始めた時、窓の向こうから賑やかな声が聞こえてきた。
「この花壇を綺麗にすればいいんだね? よし! ヒーローに任せるんだぞ!」
 窓際に近づいて外を見ると、調理室が面する中庭の一角に人だかりができていた。集団の中心に立つのは、ヒーロー部とかなんとかを名乗って日々活動しているアルフレッド。よく見ればアルフレッド以外の者たちは、園芸委員会を示す葉っぱのマークが入った緑のエプロンを身に付けていた。
「あいつ……今日は園芸委員会の手伝いあるか」
 アルフレッドの『ヒーロー部』の活動は正直よく把握していないが、他の部活や委員会の手伝いをしている姿はよく見かける。パワーが有り余っているアルフレッドのことだから、体力勝負の力仕事も任されているのだろう。実際アルフレッドは人だかりが解散となると、重そうな荷車をぐいぐい引っ張って花壇に移すらしい土を運び始めた。さぞ腹が減りそうな仕事である。
 そういえば以前、中庭に居たと思しきアルフレッドが「いい匂いがしたから」と美食部に顔を出してきたことがあった。あの時はフランシスとサディクもいたけれど、今は耀一人きりだから。
「……アルフレッド、パンケーキとか、好き……あるかな」
 一人でせっせと活動に励むヒーローの姿を見つめ、少しだけ期待の意を込めて――耀は冷蔵庫の戸を開けた。

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