来神




ラテックスの隔たり




それは昼休みのことだった
新羅と教室で昼食をとっていた俺の平穏な日常が一瞬にして修羅場と化した。

「い〜ざ〜や〜クン、手前また仕組みやがったな」
「なんの話?言いがかりもいい加減にしなよ」
「うるせぇ黙れ!!死ね臨也!!!!」

シズちゃんの手の中で教卓が破壊され凶器へと姿を変える。

「うわ。一般人に怪我させる気?
新羅、ちょっと出てくるね」
「全く、君たちもよくやるよね。誰が君達がつきあ「それはここでは言わない契約だったよね?」
「ごめんごめん。はやく行ってきなよ」

シズちゃんの投げるものから逃げる内に追い込まれたのは体育館裏。
普段たまっている不良たちは被害を被らないために早々に逃げ出したらしく誰もいない。

そして、体育館の外壁に背をつけて立つ俺を目前に追い込んで、それでもシズちゃんは手を上げることはなかった。

「あのさぁ」
「んだよ」
「自分が欲求不満だからって喧嘩に見立てて俺をこういうトコに引き込むのやめてくれない?」
「うるせぇな。ちゃんと準備してんだからいいだろ」

そう。これは一種、日常化した行為だった。

「準備とか当たり前だから。学校で濡らしもせずに突っ込んで中出しとか許されないから」

こんなんで顔真っ赤にしちゃうなんてシズちゃんもまだまだ青いね
まぁなんだかんだ言って数は多くない男性向けのローションを探して持ってくるのはすごいと思うけど

「で?するの?しないの?」

挑発的に誘えば歯が当たるような凶暴なキス。
こういう時だけ器用な指が手探りでシャツのボタンを外す。
唇がふやけてしまいそうな長いキスと探り当てられた乳首への愛撫に腰に甘い痺れが走る。
自力では立っていられなくて、シズちゃんの首に腕を回して身体を支える。
それに気づいたシズちゃんがズボンに手を掛け、ようやくキスが終わる。

「後ろ向け」

いつもの指示に壁に手をついて、緩く足を開いて腰を軽く突き出す。
ズボンと下着を一気に下ろされ外気に触れた冷たさに緊張が募る。

と、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。

「ちょっと、5限数学なんだけど」
「じゃあやめて戻るか?」

わざとらしく性器を扱かれる。こんな状態で戻れるのかと言わんばかりに。
最初から帰す気なんてないくせに。

「別に。言ってみただけ」

ローションを絡ませた指の先がゆっくりと侵入してくる。
指の動きでシズちゃんの焦りが分かる。
がっつき過ぎじゃない?

一旦指が引き抜かれチューブから直接ローションが注がれる。

「それ、気持ち悪いからやめてって言った!」
「余裕ねぇんだよ、文句言うな」

必要最低限の前戯を終えた指が引き抜かれ、指とは比較にならない質量が押し当てられる。
緊張に身体が強張っているのが伝わったのだろう。
耳元で「力抜いとけ」と囁いた口に耳朶を食まれる。
くすぐったいような快感を頼りに力を抜く。
押し開かれる感覚と、いつもより強い摩擦。

「ゴムつけた後、ちゃんと濡らせよ、馬鹿」
「悪ぃ、忘れた」

やっぱりナマの方が気持ちいいだなんて、間違っても言っちゃいけない。

腰を抱え込むように腹の下に腕が差し込まれたらそれが律動の合図。
身体を支える手足に力を入れると、欲望のままに腰を打ち付けられる。

「ン、んっ、んぁっ」

唇を噛んで必死に耐えていると、「声出せよ」と前立腺を抉られる

「だって、誰がくるかっ、」
「来ねぇよ、授業中なんだから」
「でもっ、んっ、あ、あぁっ、だめッ」

シズちゃんの空いた手が乱暴に性器を扱けば、否定の言葉もシズちゃんの望んだ喘ぎに変わる。

そこからはあっという間だった。
シズちゃんの手に導かれるままに吐精し、シズちゃんも直後に終わった。

気持ち良かったけど、どこか物足りないのはあの薄い隔たりだろうか。
初めは嫌いで、煩わしかった筈なのに。
呆気ない終わり方が物足りない。
熱を受け止める強い快楽が、欲しい。



「ねぇ、シズちゃん。俺早退するから」
「だから?」
「シズちゃんも早退して」
「なんでだよ」
「ウチ、妹も親も帰りは遅いから



家に来てよ」


だって、やっぱり物足りない。




時間を掛けて書いていたら途中で何が書きたかったのかよくわからなくなってしまいました。
この後、臨也の部屋で二回戦突入となるわけです←

素敵なリクエストありがとうございました!
リテイクはいつでも受け付けております。


20110422

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