静臨前提モブ臨
来神




help me!




学校からの帰り道。
また、つけられてる。
人の気配を後ろに感じる。

初めて気づいたのは三週間前。

一人で帰る回数をなるべく減らして対策していたが、そいつは家まででもついてくる。
最初から比べると随分近くをついてくるようになっている。
それも、人通りの少ない道になればなるほど。

やっぱり一人で帰るのはまずかったか…

ガシッ

考えていると、肩を掴まれ路地に引き込まれた。
とっさに反撃しようとした脚を絡めとられ軸足を払われ、狭い路地に押し倒された。馬乗りになられ、腕を掴まれ地面に押し付けられる。
乗っているのは見知らぬ男。その目が俺を舐めるように見回す。

「やっぱり綺麗な顔してるね、君」

頬をざらついた舌がなぞる。
吐き気がするほど気持ち悪いのに反撃する術がない。

男が、俺の腕を一纏めに押さえつけ、ポケットからフィルムケースを取り出す。
親指の爪でキャップを飛ばし、中身を口に流し込んだ。
錠剤のようだ。ガリガリと噛み砕く音がする。
と、鼻をつままれた。

「何す…」

言い終わる前に唇を唇で塞がれる。侵入しようとする舌を防ぐために唇を固く閉ざす。
そこで相手の狙いに気づいた。息が苦しい。
耐えきれず口を薄く開くと舌が侵入し、砕かれた錠剤の混ざった唾液が喉の方へ流しこまれる。

どうすることも出来ず…その気持ち悪い液体を飲み下した。

俺の喉が鳴ったのを確認すると、男はやっと口と鼻を解放した。
一気に流れ込む空気にむせかえりながら男を睨みつける。

「何を飲ませた」
「すぐに分かるよ」

Tシャツを捲られ、外気の冷たさに体が強張る。

「ここも綺麗なピンク色だね。美味しそうだ」

男の口の中に乳首が含まれ、不快な水音を立てる。
気持ち悪い。誰か、助けて。

両の乳首が男の唾液まみれになった頃、俺の腰が不自然に疼いていた。

生理現象にしても明らかにおかしい。

あの薬

「そろそろこっちも触って欲しいよね」

疑いが確信に変わった。
体に力が入らない。
ズボンと下着が纏めて下ろされる。
晒された性器は既に勃ち上がり、僅かに蜜を零していた。

「最悪ッ」
「綺麗に剥けてるね。いつも一人でシてるのかな」

下品な笑いを浮かべながら性器に手を這わす男を睨みつけても最早どうすることも出来ない。
俺のこんな姿許せるのは一人だけなのに。

「やめろ、放せ」

嫌なのに、体が疼く。
放してほしいのに、物足りない。
許せないのに、欲しい。

「怖い?大丈夫。筋肉が弛緩してるから、すぐに入るよ」

男の指が後ろにまわる。
指が遠慮なく入ってナカを荒らす。

「ぃや、ぁ、やめて、助けて」
「誰も来ないよ。君は僕のものになるんだ」

一人しか、シズちゃんしか、知らなかったそこが汚されていく。そのシズちゃんも、汚れた俺はもう要らないかもしれない。

「シズちゃ…たすけ、て…」
「彼女?いや、違う。彼氏だね?」

早く終われ。それだけを思って顔を背ける。

「君はもう、こっちの快感も知ってるんだろう?」

前立腺を擦られ、背が反る。唇を噛んで、声をこらえる。

「くっ、ぅあ、はっ」
「もっと声出してよ、つまらないじゃない」

指で唇を開かれ、唾液がぬちぬちと音を立てる。

「そろそろ、いくよ」

後ろから指を引き抜かれ、足を深く折り曲げられ、熱い塊が押し当てられる。

「う゛、あ、あ、いゃぁぁあ」

ズブズブと一気にナカが満たされる。

「すごい締め付けだよ、あったかい」

どうして、こんなことになってしまったんだろう。
こんな、良いように奪われるようなことに。

「気持ちいいよ。君もいいだろう。言いなよ。イイって」

忌まわしい薬のせいで、心が受け入れない気持ち悪い行為にも体は反応し、性器は白濁液を漏らし続けていた。

「やだ、ぃや、シズちゃん、シズちゃ、助けて」

頬を一筋の涙が伝った

「おぃ、手前そこで何してんだ」

え。何。何このタイミング。
シズちゃん、どうして…
ナカから太いものが抜けていく感触。
暴力的な音。

助けてと願った、でも、こんな姿を一番見られたくなかった。

男が顔がわからないほどボコボコにされて気絶するまで一分はかからなかった。
その間、俺は何も出来ず、冷たい地面に転がっていた。

「臨也、臨也。ごめんな、遅くなって」

シズちゃんが俺を抱き起こしてくれた。
心配の表情が目に入る。
シズちゃんが俺を抱きしめる

「駄目だよ、シズちゃん。俺、汚いよ」
「汚くなんてない」

体中ベトベトで白濁にまみれているというのに、シズちゃんは構わなかった。

「でも…」
「全部消毒して、上書きしてやるから」

もう限界だった。
涙が溢れるのを止められない。

「シズちゃん、俺、怖かった、シズちゃ、に、助けて、って」

強く抱きしめられて、シズちゃんの広い胸に顔をうずめて泣いた。

どれだけそうしていただろうか。
シズちゃんは泣きやんだ俺の服を戻してくれ、俺たちは半死体の転がる路地を後にした。
まだ上手く力の入らない体を半分シズちゃんに預けながら、ゆっくりと歩く。

「俺の家なら歩いてもそんなにかからないから」

含みのあるさりげない一言に俺は小さく頷いた。



初モブ臨。
薬があんまり活きてないですね。
続きの静臨も書くかもしれません。


20110202


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