ヘタレ静×臨




俺≠ガラス細工




シズちゃんは基本的に前戲が長い
俺がいい加減じれったくなってきたころになってやっと、大丈夫か、なんて聞いてくる。
余裕を奪ってやりたくてシズちゃんの性器に手をのばせば、俺のはいいから集中しろと言って、見るからにパンパンなそれに触らせてさえくれない。

もう何度も体を重ねてきたけど、シズちゃんががっつくような素振りを見せた事なんて一度もない。

俺はそんなに柔じゃない。
なのにシズちゃんは俺を繊細な割れ物、例えばビードロか何かのように扱う。

求めてくれないと逆に不安になる。

俺だって男だ。
好きな人とセックスしてて興奮する感覚も、込み上げる衝動を抑えきれなくなるのもわかる。
でも、シズちゃんは…

本気でシてくれていない。そのことにどうしようもなく苛つきが込み上げる。


気づけば俺は即効性の睡眠薬と強化金属の手錠を用意してシズちゃんが訪れるのを待ってたんだ。
喧嘩仲は高校以来8年、恋人同士になってからも続いてる。
だから、シズちゃんはまた一週間もしない内に新宿にやってくる。


確信ははたして現実になった。

3日後に訪れたシズちゃんをマンションを壊される前に首尾よく眠らせ、寝室に連れ込む。体の大きな猛獣用の睡眠薬がやっと効くなんて、全く本当に化け物だね。

ベッドに横たわらせた身体の腕を手錠を使ってベッドヘッドに固定する。

後はコーヒーでも飲みながら目を覚ますのを待つだけだ。


30分程待っただろうか。シズちゃんが目を覚ました。

「臨也、てめぇ何のつもりだ」

シズちゃんは手錠を引きちぎらんばかりの勢いで鳴らしてキレる。

「俺はね、優しいシズちゃんは嫌いじゃないんだ。でも、あんまり優しいんで気味が悪い」
「何の話だ。質問に答えろよ」

シズちゃんの不穏当な声を笑顔で無視して、俺はシズちゃんの上に腰を跨ぐようにして乗って何か言おうとするシズちゃんの口をキスで塞いだ。
普段俺からはキスをするなんてことはないからシズちゃんはびっくりしているようだった。
それをいいことに思うようにキスをして、静かに気づかれないようにシズちゃんのベルトに手を伸ばす。

片手でベルトを外してジッパーを下ろした。
右手で直に掴んだそれはまだ硬さをもっていない。

気づいて俺の口付けを拒もうとするシズちゃんの口を解放してやると慌てた声が叫んだ。

「何するつもりだっ!?」
「わかってる癖に」

硬さを持ち始めたそれに顔を近づけ、息をかけると、大袈裟なくらいに反応する。

「やめろよ」
「いいじゃん。たまには俺にも主導権ってやつをさ」

言いながらシズちゃんのそれを扱き上げる。
限りなく限界が近づいてきた頃を見計らって手を放す。
シズちゃんは時折手錠と格闘しているようだったがそんなにすぐ壊れるようなものを使っている筈がない。例え壊れるとしてもその時には後戻りは効かない。そういう風に仕込んだんだから。

ベッドサイドから手にとったボトルをシズちゃんに見せつけて、中の液体を指に絡めた。
一番いやらしく見えるように、後孔に指をうずめていく。
シズちゃんの喉が低く鳴ったのを俺は見逃さなかった。

「見てて興奮するんだ」
「悪いかよ」

開き直ることにしたらしい。それじゃつまらないじゃないか。

俺はシズちゃんの右手を自らの濡れた手で取った。
何をするのかわからないのか力を入れないその人差し指に自分の中指を添えて握り込み、まだ慣らされていない後孔に素早く突き込んだ。

これにはシズちゃんも驚いたらしい。
俺が痛がることをしないことを常に意識しているんだから最もだ。

引き抜きたがる指を押さえ込んで、ナカを掻き回す。
痛みも少しはあったけれど、大したことはない。

「シズちゃんも、さ、んぁっ、動かして、よ」
「いや、だって痛いだろ」

ほらきた。馴染んでくれば痛みより異物感の方が気になって、早く気持ちよくなりたいのに。

「べ、つに、痛くないし」

二本の指がまだほんの少し気になる程度に慣れて、俺は二本の指をナカから引き抜いた。

そして、呼吸を整えて、体の位置を変える。シズちゃんの物の先端が軽く後ろに触れるくらい。

「ちょっと待て!何考えてんだ!まだ無理に決まってるだろ!!」

当然のようにでた制止をサラッと無視して、体重を後ろに載せていく。
指先で広げた後孔に ゆっくりと巨大な物が入ってくる。

やっぱりキツいね。裂けないといいな。
思いながら、体を小刻みに揺らしながら一番太いところをどうにか飲み込んでいく。

「俺だってそんなに柔じゃないよ」

俺を止めようと手錠と格闘するシズちゃんの顔をこちらに向け、噛みつくようにキスをする。

「ほら、もう入るでしょ」

一番太いところを飲み込んでしまえば後は均一だ。体重に任せて一気に飲み込む

「はぁっ、ん、いつもより、シズちゃんが、分かるよ」

完全に勃ちあがった自身を互いの腹に挟むように刺激しながらナカの物を締め付け、抜き差しする。

「んぁ、あ、あ、はっ、はぁっ」

騎乗位って体力要るんだ。初めて実感する。
でも、もう止まらない。
息が辛くて喉が反る。


ガシャン!

大きな音がして、動きを止めて見やると、手錠を引きちぎったシズちゃんが上体を起こすところだった。

あっという間に押し倒され、形成逆転だ。

「文句は後で聞く」

目を情欲に染めたシズちゃんが激しく律動を始める。
全ては計画通り。

「文句なんてあるわけないでしょ!」



二人とも疲れ果てて俺が気絶するまで行為は続いた。





「なぁ、なんであんなことしたんだ」
「シズちゃんがあんまりにヘタレだからだよ」
「どういうことだよ!!」
「俺はそんなに柔じゃないし、がっつかれたからって文句なんてあるわけないって言ってんの」

シズちゃんが真っ赤になるなんて珍しい。
俺としてはしてやったりである。



静雄が臨也を好き過ぎて大事にしたくて、がっつけない、でも、臨也に好きにされてとうとう我慢が効かなくなる、という話を書こうと思ったんですが…なんか違いますね
またリベンジします


20110130


戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -