静+幽×臨




ピンチはチャンス




その日俺たちはシズちゃんの家の狭いベッドの上で昼間から情事にいそしんでいた。
どうしてそんなことになったのかと言えば、勿論目の前の金髪のせいだ。
たまには気分変えてみようぜ。
なんていう悪魔の囁きに負けた俺も俺だけど。

「や、シズちゃんっ、そこ、やめてっ」
「嘘つけ。ここ突かれるの好きだろ。ほら、休んでねぇで腰振れよ」
「ひぁっ、や、あぁ、も、だめ」
「もう、かよ。ちったぁ我慢しろ」
「むり、も、やだぁ」

感情が高ぶって、理性なんてどこかに消えて、もう間近に絶頂がある、ということがわかって…
シズちゃんがラストスパートを掛け始めたとき

ピンポーン

間の抜けた音が俺の絶頂を一瞬にして遠のかせた。

「だ、誰」
「知らん」
「どうしよ」

繋がったままで柄にもなく狼狽える俺。
落ち着くんだ。落ち着け、俺。

「暫く静かにしてりゃ、居ないと思って帰るだろ」
「そ、そうだよね」

ピンポーン

早く帰れ。帰ってくれ。

「やっぱり、着替えて出た方がよくない?」
「それで上がられたらどうすんだよ。この狭い家に。ごまかせねぇだろ」

ひそひそ声で議論する時間がどれだけ長く感じられただろうか。
俺の人生最大のピンチ!誰かにシズちゃんとの関係がバレたら俺の社会的地位が!!

緊張は最悪の形で破られた。

ガチャ

「ヤバいよ。鍵持ってるよ!誰!?大家さん!?何、また家賃滞納したの!?」
「してねぇよ。静かにしろって」
「とりあえず抜け、馬鹿!」

この緊張感の中全く萎えないシズちゃんのモノを抜いて、シーツに身をくるむ。

来訪者が部屋のドアを開けたのはその数瞬後だった。

「プリン買ってき…たよ…って何昼間っから盛ってんのさ、兄さん」
「幽君!?いや、これは、その」

一人狼狽える俺と考え込むシズちゃん、呆れたような表情の幽君

「臨也さん、こんにちは。どうぞ、続けてください。俺はプリン冷蔵庫に入れて帰ります」

どうしよう。絶対今耳まで真っ赤だ。
穴があったら入りたい。誰か上からダイナマイト投げて。

回れ右をしてそのまま帰ろうとする幽君、をシズちゃんが呼び止めた。
そして一言

「お前も混ざれよ」

嘘でしょ!?ちょっと待って、何考えてんの?
シズちゃんと違って幽君は普通の人で!!
しかも俺の意見は!?

「是非」

幽君!?なんで即答で肯定!?

「ちょ、待って。俺の意見!!」
「んなもん聞く余地はねぇ。大体このメンバーが揃うなんてチャンス以外のなにもんでもねぇだろ」

「な、何の…」
「3P」

な、何を考えてるの。シズちゃん頭大丈夫!?

「か、幽君も、ね?そんな、無理して、シズちゃんに合わせなくても…」
「無理なんてしてませんよ。俺は臨也さんのこと、前から好きでしたから。その事は兄さんも知ってますし」

孤立無援、四面楚歌…。新羅でもないのに頭の中に四字熟語が…

「そういうことだ。諦めろ」


そこからが俺にとっての地獄だった。


俺は四つん這いになってシズちゃんに入れられながら幽君のモノをくわえさせられていた。

「シズちゃ…そ、なに、しちゃだめぇ」
「臨也さん、口がお留守になってますよ。フェラでイかせてくれるんでしょ」

それはシズちゃんが言ったことで、と言おうとした口は幽君が自分のモノを無理やり押しつけてきたせいで言えなくなった。

喉の奥を突かれて吐き気が込み上げる。

どうしてこの兄弟は規格外の大きさがにてしまったんだろう。
神様ももうちょっと考えてつくればいいのに

「空事考えるたぁ余裕だな、おい。しっかりしゃぶれてんのか?」
「臨也さんは今お口も気持ちもお留守でしたよね?」
「そりゃ、いけねぇなぁ。おい、臨也。これから、幽のイかせるまで、手前もイかせねぇ。わかったな」

既に限界まで張り詰めた俺の性器の根元をシズちゃんの指がキツく戒める。
シズちゃんに奥を突かれるのが辛くて、早くこの状況を終わらせたくて、幽君のモノに必死で舌を這わす。

口の中に唾液を溜めて。舌の上に載せて、やらしい音でしゃぶる
幽君は時折呻くような喘ぎをあげながら、目を伏せている。
必死に舌を使って、愛撫すると先走りが漏れはじめて、もうちょっと、と思うと、図ったように後ろを突くシズちゃんの勢いが増す。
口を離さないように、必死でしゃぶる。

「臨也、ナカに出すぞ」
「兄さんも限界ですかっ」

二人は俺を使ってタイミングを合わせているようだった。
俺も早くイきたくて、シズちゃんのモノがいいところにあたるように腰を振りながら、幽君のモノを吸い上げるようにする。

シズちゃんは俺の腰を掴んでガツガツと腰を打ちつける。
幽君は俺の髪を掴んで上向かせ、微妙に歯がかするようにして激しく出し入れする。俺は二人に翻弄されて、頭の中が真っ白で…
終わりは同時だった。
シズちゃんがタイミングよく指を離したから俺の性器も白濁をまき散らして。口の中にも後ろにも暖かい粘液が出されて。

二人の性器がズルッと音を立てて抜かれる。

「兄さん、臨也さんって、いつもこうなんですか?」
「ん?」
「無自覚に淫乱というか」
「あぁ、やらしいからだになったもんだろ」
「そうですね」
「昔はヤる度に緊張してたんだぜ。初めてのときなんかよ、」
「ちょっと待った。それ以上言ったら絶交」

俺を蚊帳の外に置いて恐ろしい方向に進みそうだった話をどうにか遮る。
シズちゃんに向き直って、自分から抱きついてやった。

「あれは、二人だけの思い出でしょ」

シズちゃんの顔がゆでだこみたいに真っ赤に染まる

「なんですか。結局、除け者ですか」
「そう拗ねんなよ。また予定があったら三人で、な」
「何勝手に決めてんの!!そんなしょっちゅうやられたらもたないから!!」
「たまにならいいのか?」
「それは…」

即断で断れない俺はもう二人の所に堕ちてしまったのかもしれない。



素敵企画「三人称単数」様に提出させていただきました。

平和島サンドはロマンです。


20110101


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