会話文、心中語多め




初詣のち初日の出




1/1.04:27
俺は心地よい初夢から強制的に切り離された
俺のお菓子の家…

こんなことなら携帯の電源切っときゃよかった。
何もこんな時間に電話掛けてくんだ。誰だよマジで

コール音を鳴り響かせる携帯のサブディスプレイがその問いに答えを示していた

臨也
090xxxxxxxx

何の用だよ。マジで

「…なんだよ」
「何、その間。まさかもう寝てた?」
「もうってなぁ!!今何時だと思ってんだ!!」
「悪かったね。俺は大晦日から元日は徹夜って決めてるんだよ」
「で?何の用だよ」
「今日、何か予定ある?」
「いや、別に。年賀状みて、のんびりする」
「勿体ないじゃん、そんなの。要は暇なんでしょ。初日の出見に行こ。今から一時間後。迎えに行くから準備しといて。じゃっ」
「あ、おい。待て!……クソ、切りやがった」

なんでこの寒いのに初日の出見に行かなきゃいけねぇんだよ
臨也じゃなきゃ追い返すんだけどな…
一時間後か…何、着て行くかな

ちょうど一時間後、玄関のチャイムが鳴った
俺はいつもの服装プラス厚手のコートにマフラーに毛糸の帽子の防寒スタイルだ
ドアを開けると臨也は見たところいつものファーつきのコートである

「シズちゃん…何そのエスキモーみたいな」
「寒いんだよ。寒くないのかよ…」
「俺はヒートテックにカイロだから。着込めばいいってもんじゃないでしょ。まぁ、シズちゃんの頭じゃ思いつかないか」
「うるせぇ、黙れ」
「まぁ、いいや。行こ。時間なくなっちゃう」
「なんでだよ。今まだ五時半だろ。日の出まで少なくとも一時間はあんだろ?」
「その前に初詣行こ。御嶽神社なら近いしさ」
初詣なんて久しく行ってないな、と思いつつも頷いて家を出て鍵を掛ける

歩いて数分の件の神社に着いてお賽銭を入れて、手を合わせる。
願い事は…
横を見ると臨也が目を閉じて真剣に祈っている
何を祈ってるんだか




「ね、おみくじ引こうよ」
「あ?おみくじだ?まぁ、いいけどよ」
「やった」



「シズちゃんのどうだった?」
「吉。健康にすごせるらしいぜ」
「ふぅん。…ちょ、待って。何、末吉って。ね、これ良くないんだよねっ」
「いや、そんな泣きそうな顔すんなよ。大事なのは中身だろ。ほら、仕事運。良。努力次第で結果が期待できる。とか書いてあんだろ」
「うん。…ありがと。恋愛運。恋人との幸せな生活。だって///」
「お、おぅ」
「そ、そろそろ日の出見に行かなきゃ、ね」
「どこ行く?」
「ウチの屋上まで行ったら間に合わないかな」
「いや、間に合うんじゃねぇか?」
「じゃ、行こ」

並んで歩きながら自然に手をつなごうとしたのだが上手くいかず、手、出せよ、と言う羽目になった
絶対今年中にその辺のテクニック身につけてやる

臨也のマンションの屋上に辿り着いたとき、既に空がうっすら白み始めていた。
「綺麗だねぇ」
「そうだなぁ」
「日の出、って言っても太陽が見えるまでって割と時間かかるんだよね」
「寒いな」
「だね」
「もっと寄れよ」
「こんな広いとこに二人きりで座りこんでるって変な感じだね」
「いいんじゃねぇの。………お前さ」
「ん?」
「初詣の時、何お願いした?」
「えっ、何でもいいじゃん」
「俺に言えないようなことか?」
「………シズちゃんと、去年より、もっと、一緒に居られますように、って」

うわ、なんつー可愛いことを
抱きしめていいのか

抱きしめて耳元で

「臨也、愛してる」

と言ったら

少し離れて目を合わせて

「俺も、愛してるよ」

臨也は耳まで真っ赤になって言った
こいつの照れてる顔マジ可愛い
ヤバい。キスしてぇ

軽くキスして、唇の上で囁いた。

「お前の願い事、俺が叶えるから」
「約束できるの?」
「約束する」

臨也が目を閉じた
深く、深く口づける

「約束のしるし、な」
「…恥ずかしいこと言うな」
「なんだよ、不服なのか」
「こんなんじゃ足りないよ、バーカ」

「日の出見終わったら、な」
「……///」


やっと太陽が地平線から顔を出してきた。
「なんかこの光浴びてたら生まれ変われそう」
「すごいよな、太陽って」

朝日が眩しく、彼らを照らした



一応正月小説、ということで。
急いで書いたら恐ろしくクオリティーの低い作品になりましたorz
シズちゃん視点は難しい。そして臨也が別人かつ乙女になってしまいました。
それでは本年もよろしくお願い致します。


20110101


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