恋人設定





初めての×××




「ちょ、待って。ストップ!やだ、止めて!」

現在地:自宅、寝室、ベッドの上



俺とシズちゃんが所謂恋人同士の関係になって半年程が経った。
そろそろすることしても良い頃だってのはわかる。でも、それは一般的なカップルの場合であって…。
キスはした。触れるだけじゃない、深いキスも、一度だけど、した。
シズちゃんがその先を望んでることも、なんとなくわかってた。それで、その時は、俺が受け入れるのでいいとも思ってた。
思ってたけど…
二人でベッドに上がって、思わせぶりに迫られたって、やっぱり心の準備がまだ!


「やだ!無理だって!何も今日じゃなくても!!」
「そうやっていつまで逃げるんだよ!!俺とはシたくないってのか!?」
「そういうワケじゃないけど…うわっ!」
視界がいきなり反転し白い天井が映る
跨られて肩を押されたら身動きなんてとれない

「キスも嫌か?」

目を見てそんな風に聞かれたら、嫌なんて言えない。
別に嫌ではないけど…
こういう時だけ優しいのは反則だと思う

「嫌じゃない…けど」
「そっか」

ゆっくりと顔が近づいてくる。
目を閉じて待つと、唇が重なった。
シズちゃんの煙草の香りがする。
少し唇が離れて、また。
濡れた舌が唇に触れた。気兼ねするようにそっと。
俺が合意の意思表示に薄く唇を開くとシズちゃんの舌がゆっくりと入ってくる。
初めは優しく。少しずつ大胆に、口の中を荒らす
息継ぎってどうやるんだっけ。駄目、苦しい。何も考えられない

「ん……ふ、ぁっ…はぁ」

長いキスの後。息が上がってしまった俺を前に、シズちゃんは暫し目を逡巡させてから、意を決したように口を開いた。「なぁ、お前が本気で嫌だ、無理だって言ったらそこでやめる。約束する。から…」

怖くないわけなかった。不安だった。
でも、今を逃したら、ずっとこのままの関係に終わってしまうかもしれないと思ったし、シズちゃんの言葉も信用できた。
男は度胸だ。なんか使い方違う?まぁ
いいや。
それで、俺はシズちゃんの首に腕を回して耳元で囁いたんだ。

「いいよ。続けて」

シズちゃんの喉が鳴った。


上半身の衣服を脱がされて、再びベッドに横たわった俺が、俺だけ恥ずかしいのは嫌だと言うと、シズちゃんも普段着のバーテン服を脱ぎ捨て、上半身裸になって俺に跨った。
失敗
シズちゃんがこんなに格好良く見えるなんて。引き締まった体には適度に筋肉がついていて、それでいて細身で。
思わず見とれていると、なんだ惚れ直したか。なんて聞いてくるから、顔に血が上った。
それを見たシズちゃんも、うわ、マジかよ、って耳まで真っ赤になってたからおあいこだと思った。



男の俺が胸なんかで感じることはない筈だった。少なくとも俺はそう思ってた。
確かにはじめはくすぐったいような感覚しかなかった。
でも、シズちゃんが、片方の突起を口にくわえて舌先で刺激してきたとき、有り得ない筈の感覚が走った。

「あぁっ…何っ!?今の!」

背筋を電流が走ったかのようだった。
思わず背筋が反ってシズちゃんの頭にしがみついてしまう。

「一度感じると女より男の方が感じるらしいって聞いたけど本当なんだな」

笑って再び乳首をいじり始めたシズちゃんに、どこでそんなこと聞いたのさ、と問いただす余裕は俺にはなかった。
乳首だけでこんなに感じちゃって…

「ここだけでこんなに感じてて、この先お前どうなるんだろうな」

にたにたとチェシャ猫のような笑みで、俺の不安を暴くシズちゃんに俺は顔を背けることしかできない。
執拗に乳首をいじられる内に俺の中の快感は抑えられないものとなっていって、下半身に溜まった熱も見逃せなくなっていた。
意識し出すと余計に気になって辛いもので。

「ね、シズちゃん」

言いながら腰を持ち上げてシズちゃんの太ももに上向いて存在を主張するそれを押しつける。

「ん。次行くか」

俺がこくりと頷くと、シズちゃんは俺のズボンに手をかけた。腰を浮かせば下着ごとズボンを脱がされて、俺は一糸纏わぬ姿になった。
意識したことはなかったけど、服を着ていないってこんなに不安な感じがするんだと思った。
そのまま何もしないシズちゃんに、目でどうしたのと問いかけるとシズちゃんは真剣な眼差しで言った。


「なぁ、不躾なこと聞くようだけどよ」
「何さ。シズちゃんがそんな前置きするなんて珍しい」
「お前、一日何回までなら出せる」

ちょっと待て。なんだその質問。
セクハラなのかセクハラなんだな。

「そ、そんなの知るか!知ってても言うわけないでしょ!!」
「いや、マジな話。お前に負担かけたくないし、一度イかせてからその先は様子見ながらかと思ったんだが、体力追いつかないのに出させても辛いだけか、と思って、だな」

何その気遣いみたいな。シズちゃんの癖に。

「流石に一回くらいでその先無理な程ヤワじゃないよ」

視線を逸らしながらそう答えると、シズちゃんはいきなり深いキスを仕掛けてきた。
激しいキスに翻弄されているとシズちゃんの右手が俺の自身を包み込んだ。上下に扱かれると自分でするのとは違う、全く予想できない動きに追い立てられた。
気持ち良くて、でも辛くて、息がしたいのに、口は塞がれていて。逃げたいのに、シズちゃんの左手は俺の頭をホールドして離してくれない。やだ、もう、気持ち良くて…
シズちゃんの舌先が上顎を掠める。
痺れるような快感が足先まで伝わって、指先に力を入れて迫り来る絶頂を待った。
俺がイくその瞬間
シズちゃんの唇が俺から離れた。

「あっ、はぁっ、ぁああっ」

いきなり終わったキスに、口を閉じる余裕もないままに上がった、自分のものと思えないほど上擦った喘ぎ声。
シズちゃんはそんな俺を見て、してやったりといった表情をしていた。

「可愛いな、お前」
「シズちゃんが仕組んだんでしょ!もう、嫌、恥ずかしくて死ねる」
「これからもっとお前が恥ずかしいことしようとしてるわけだが。どうする?」
「え?何が?」
「続き、いけそうか?」

どうしてこういう時だけシズちゃんは優しいんだろう
気遣いとか、らしくないのに

「大丈夫。いける。それに、ここ、こんなにしておいて我慢出来るわけ?」

敢えて挑発的に。シズちゃんの興奮したモノをズボン越しになで上げる。

「うるせぇな。お前の気持ち無視してまでするもんでもないだろ。いいなら、続ける。但し」
「但し、何さ」
「この先は、嫌って言われても止められないと思う。いいか」
「今更何言ってんのさ。ね、早く。俺もシズちゃんに気持ちよくなってもらいたいし」

誘うようにそう言うとシズちゃんは耳まで真っ赤になりながら顔を逸らしてズボンのポケットを探ってローションを手にとった

「準備万端だね」
「今日はそのつもりだったからな」

言うとシズちゃんはローションを手に馴染ませて俺の後孔に中指の先を当ててゆっくりと入れ始めた。
最初から気持ちいい筈もなく、異物感に顔をしかめてしまう。
シズちゃんは目を伏せがちに指先に集中していたからその顔を見られることはなかった。
一本の指がナカにしっかり馴染むと、シズちゃんは人差し指を添えて指を挿入し直した。
ナカを広がるように指をバラバラに動かされて。

「全然気持ちよくないよな。もうちょっと我慢な」

それまで無言だったシズちゃんがふと目を上げて言った

「大丈夫。慣れてきた」

少しだけ無理をして、笑みを浮かべて言うと、シズちゃんは俺に軽くキスをくれた。
更にしばらくナカを広げて、三本の指が根元まで収まるようになった頃。一度は増えた指が再び二本に減った
不思議に思っていると先程までとは違う探るような動きがナカを撫で回していく。
と、腰全体に響く強過ぎる快楽が俺を襲った

「あぁん、やぁっ、何!?そこやめてっ!はぁっ、やめっ」

やめてって言ってるのにシズちゃんはそこばかり攻め立てる

「前立腺、イイだろ?」
「も、やだぁ。壊れちゃ、う、はぁっん」

いきなり後孔から指が抜かれ、代わりにシズちゃんの性器があてがわれた

「いくぞ」
「ん。早く」

熱くて大きなモノが俺のナカを満たした

「やっとシズちゃんと一つになれたね。嬉しい」
「あんま煽んな」
「余裕ないじゃない。どうしたのさ」
「お前が可愛いのが悪い。大丈夫なら動くぞ」
「えっ、待って!ひゃっ、あ、あぁん」

激しく出し入れされて、シズちゃんの熱の形に馴染んでいく俺のナカ。
幸せで、気持ちよくて、たまらない

「シ、ズちゃ…んっ、シズちゃん、俺っ」
「んっ、なんだ」
「好き、好きっ、すきなのぉ、あぁっ、はぁん、そこ、だめぇ」

前立腺を抉るようにこすられて、張り詰めた自身からは先走りが溢れる

「あんま、煽んなって言っただろっ!もう、知らね」

今までよりも激しいピストンに、叩きつけられる肌が音を立て、結合部からもいやらしくローションが泡立って溢れる。

「やぁっ、シズちゃんっ、激しっ」
「臨也、臨也っ、好きだ、愛してる」
「愛してっ、俺のことっ、もっと、あ、いしてぇ」

シズちゃんの手が俺の性器に伸びる。
感じるところを擦られて、快感が脳に駆け上がる。

「いやあぁぁぁぁあぁ」
「くっ…はぁっ」

俺がイってシズちゃんの性器を思い切り締めつけてしまうと、シズちゃんも熱い精液を吐き出した
一度奥に押し付けてからシズちゃんの性器がナカから出ていく

「やべぇ。超気持ち良かった」
「そぅ。良かっ、た。俺は疲れたよ」
「結局無理させちまったか。悪いな」

まだ息は整わないけど、俺も心地よさに身体が満たされていた。
改めてシズちゃんに抱きつく

「シズちゃん愛してるよ」
「あぁ。俺もお前を愛してる。誰よりも」

幸せだなぁと思いながら心地よい眠気に任せて俺は目を閉じた














おまけ

「あ、おい。寝るな」
「ん、何さ。俺は眠いの。寝る」
「せめて後処理させろ。シャワーは朝でいいから」
「は?何!?後処理?」
「そのままだと腹壊す。出したもん掻き出すから、おとなしく足開け」
「嫌!恥ずかしいっ」
「言ってる場合か。諦めろ」
「なんでナカに出したのさ」
「それはっ。いいだろお前だって気持ちよかっただろ」
「関係ないでしょ!とにかくイヤ」
「それなら力ずくでやるぞ。怪我したいのか」
「うぅ。さっさと済ませてよね」
「おぅ」







長かった。
ここまでお読みくださりありがとうございました
おまけは、後処理とか知らないし、嫌だよ恥ずかしい、な可愛い臨也とイケメンシズちゃんが書きたかっただけのものです

それにしても甘々ですね。
臨也がデレすぎなのか…


20101226


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