俺と彼女はカルガモ親子 | ナノ
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マネージャーやる?




藤真に名字を紹介されてから数日後の事。


「花形、俺思ったんだけど」
「・・・なんだ」


最近の藤真の口からは突拍子もない事ばかり飛び出してくるから、俺は自然と身構えるようになった。そんなことにも気付かずコイツはそのまま続ける。


「名前がマネージャーすれば良いんじゃねえ?」
「名字が・・・出来るのか?」
「監督は俺だし、むしろその辺の誰かがやるよか良いと思うんだよな」


うんうん、と一人頷く藤真の中で名字がマネージャーになることは最早決定事項のようだ。


「本人の意思は確認したのか?」
「ああ、それはいいよ。あいつ、俺の言うこと大体は聞くから」
「・・・」


そうあっけらかんと言うと、俺の方を見てニヤリと笑った。俺は心の中で彼女に少し同情した。



「まずはバスケ部で人見知り克服ってことで」
「まあ・・・俺は構わないが」
「ああ見えて名前はちゃんと働くから。他のやつらも分かってくれるって」
「だといいが」


さっそく明日の放課後にでも連れてくるからと言って、俺の肩に手を置く。今までの経験上、「お前が面倒見てくれ」俺には言外にそう仄めかされた気がしてならなかった。



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