俺と彼女はカルガモ親子 | ナノ
( 23/80 )

22話 逆転されて、逆転して




「もっと強引にいってみろ。絶対にゴール下でのファウルがこんでくるから」


決して翔陽の調子が悪いワケじゃ無い。ただ、俺たちが逆転されるほどの勢いとそれを裏付ける実力とが、湘北にはあった。

交代を余儀無くされて藤真がコートに出ると、「シケた面をするな!海南が見てるぞ」とメンバーを叱咤しすぐにその強気なプレーでチームを引っ張った。


「湘北はベスト4にはまだ早い!さあ来い!」


藤真がいるかいないかで翔陽はまるで別のチームになる、周りにそう評されている通りに今度は俺たちが得点を重ねていく。
そして、タイムアウトを取ったのは湘北の方だった。


「・・・藤真、三井にボックスワンでつかせてくれ」


いつもは大人しい長谷川が初めて主張をした。確かに、三井のスリーポイントは脅威ではあった。


「ちゃんと、止められるんだろうな?相手は中学MVPだぞ」
「任せてくれ」


藤真がそれに頷くと、そこでタイムアウトが終わった。俺はこの試合で徐々に頭角を現し始めていた桜木を見据える。
あの赤い頭の男はただの素人ではないと、自分の勘がそう言っていた。


(・・・リバウンドで、負けてたまるか)


「さあ行くぞ!あと10分・・・!」


ベンチから立ち上がった俺たちの背に、他の選手やマネージャーの熱い視線が感じられた。


PREVNEXT


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -