俺と彼女はカルガモ親子 | ナノ
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少し成長してます




「やれば出来るじゃないか。良くやったな」
「は、花形さんのおかげ・・・です」
「俺は手伝っただけで、頑張ったのは名字だよ」


最近あった小テストの結果が出るなりすぐに俺に見せに来た名字。遠くの廊下から駆けてきた姿はどこか微笑ましく、本人の表情からも良い結果だった事は一目で分かった。


「この調子だったら期末も困らないな」
「・・・だと、いいんですけど」
「大丈夫。また俺が見てやるから」


「だから、今度はマネージャー頑張ってくれよ」


そう言って彼女の頭を軽く撫でると、嬉しそうに小さく笑っていた。彼女はプラスの感情を大きく外に出すことがない。これで内心けっこう喜んでくれているという事に気が付いたのは最近だ。


「もうすぐインターハイ予選が始まるからな」
「はいっ」


珍しく名字がまっすぐに俺を見ていた。


「私・・・頑張ります、から!」
「頼りにしてる」


小さくて気弱だった彼女が、確実に以前よりも強くなっていた。



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