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長谷川家の以心伝心
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「ねえ一志」
「・・・醤油だろ」
「うん」


よその姉弟に比べると俺たちはお互いのことをよく理解していて、口にしなくても分かることの方が多い。


「姉貴」
「はい、お茶」

「あなたたち・・・熟年夫婦みたいね」


朝食の席での俺と姉貴のやりとりを見ていた母親が、感慨深くため息をつきながら呟いた。


「「そんなことない」」


それに対して見事に返事をハモらせた俺たちは、互いに顔を見合わせる。


「ほんと、息ぴったりなんだから。面白いわ」


クスクス笑う母親を横目に、俺も姉貴もそれ以上何も言わなかった。

俺たちは普段からあまり表情が変わらないし物静かだといわれているが、それは間違いなく父親譲りだ。何が面白いのか分からないが未だに笑っている母親を前にして、心からそう思う。


「まあ、仲が良いのはいいことよ」




ごちそうさま、とまた声が重なった


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