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藤真家の癒し
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「姉ちゃん、何してんの」
「お菓子つくってるんだよ」
「ふーん・・・」


キッチンに立つ私のそばまで来て手元を覗いた弟は、地元では割と有名な美男子で、高校の部活では主将兼監督なんて難しいことをやってのけるスポーツマン。

そんな絵に描いたように完璧なこの子がこうして私の隣に居ようとするのは、昔から決まって嫌なことがあった時だったりする。


「健司、学校で何かあった?」


それを知ってる私は、弟を甘やかして唯一姉面できるこの瞬間が嬉しいと感じていた。


「・・・別に。ねえ、出来たの食べさせてよ」
「もうちょっと待っててね」


決して理由を話さない代わりに、慰めて欲しい時はいつもこうしてピッタリくっついてくる弟が可愛くて可愛くて仕方がなかった。




寄り添うだけで癒される


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