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清田家の忠犬
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「あぁ、仕事疲れた……」


今日も一日働いてヘトヘトになりながら帰宅する。リビングに着くと、そのままどさりとソファに沈んだ。服が皺になろうが構いはしない。

疲労がピークのこんな時は、アイツを使うのが一番。


「……のーぶーなーがー!」


我が家には私に忠実な弟がいる。


「何だよ姉ちゃん…俺もう寝るとこだって!明日も朝練で早いんだぜ?」
「マッサージして、足。肩も凝ってんのよね。お願い」
「はぁー?!何で俺がそんなこと、」


駄目だ、ほんと身体が怠い。うだうだ言ってないで早くマッサージしなさいよと心の中で苛つく。弟のくせに姉のお願いをすんなり叶えてくれないなんて、生意気。

だから、単純な信長にはいつも餌を与える。


「バッシュ、リーボックの新作」
「姉ちゃん凝ってんのこの辺か?痛くねえ?」
「ん……もうちょっと強く」


急に態度を変えた弟。まだ学生で金欠の信長に言うことを聞かせるには、お金という社会人の武器を使うのが一番手っ取り早い。こうして、餌で躾をするのだ。


「安くないんだから、手抜いたりしないでよ」
「おう!」




喜ぶ顔が見たいってのもあるけどね


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