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流川家の毎朝
( 18/35 )


「あ、楓くんおはよー」
「・・・オハヨ」


時刻は朝の7時ちょっと前。いつものように家族の朝食を用意していると、弟の楓がのっそりと起きてきた。


「今日も朝練?毎日おつかれさん」
「ん。どうも」


玄関へ向かおうとしている弟の手にお弁当が入った包みを渡す。これはいつも共働きの両親のために私が家族全員に持たせているもので、楓のは一番大きいやつだ。私の三倍はある。


「いっぱい食べて大きくなれよ少年」
「・・・もう十分だろ」
「それもそうね」


行ってくる、と背を向けた弟が本当に大きく逞しく見えて、母親のように嬉しく思った。って、まだそんな歳でも無いのに。


「じゃあな、姉ちゃん」


玄関のドアが閉まる直前、少し照れ臭そうにして笑った弟に、ついつい口元が緩んだ。


(・・・可愛いやつ)




明日は弟の好物を詰めてあげよう



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