桜木家の約束
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「俺、バスケやるんだ」
「バスケ・・・?」
珍しく早く家に帰ってきたかと思えば、突然そう言いだした私の愚弟。
「花道が部活動ねえ?」
「言っとくけど本気だからな」
「ふーん」
「あ、信じてないだろっ?」
なんでも聞くところによると、晴子さんなる同学年の女の子にスカウトされたらしい。彼女のためにも天才が一肌脱ぐのだ、と。
相変わらず思考回路が単純な弟に笑っていいのか呆れるべきか。それでも、一度決めたら頑固なほどに真っ直ぐな花道を知っているのは、姉であるこの私だ。
「やるんなら、途中で辞めるんじゃないよ」
「お、おう!!」
「逃げ出したら承知しないからね!」
やったらァ!と意気込む花道を見ていると、私もなんだか込み上げてくるものがあった。
「ついでに晴子さんも落としてこォーい!」
「うおおおおお!」
この後、二人揃って近所迷惑だと父親に叱られてしまった。
*
けっきょく、似た者姉弟