木暮家の贈り物
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「姉さん、ちょっといいかな」
リビングで本を読んでいたら、後ろから優しく肩を叩かれた。振り返ると、にこにこしている弟の公延がすぐ近くに立っている。
「これ、誕生日プレゼントだよ。気に入ってくれるといいんだけど」
「わあ、ありがとう公延・・・嬉しい」
渡された小さな包みを開けると、中には花をかたどったシンプルな髪留めが入っていた。可愛くて使いやすそうなそれを眺めて、自然と顔が綻ぶ。
「俺につけさせて?」
そう言って私の髪に手を伸ばした弟は、器用に指で梳きながらハーフアップにすると、最後にパチンと髪留めをつけた。
「うん思った通り。似合ってるよ、姉さん」
相変わらず優しい眼差しを向けてくる公延が、本当に年下なのだろうかと首を傾げる私だった。
*
スマートな弟にドキドキ