ニコニコパロ注意
歌い手イザイザ×UTAUPシズちゃん













「ねーシズちゃん、そろそろ俺用の曲作ってっていうか俺と組んで商業行こうよシズちゃんならプロでも通用するってば」
「断る。第一俺はお前のためじゃなくてサイケと津軽のために曲作ってんだよ」

そう言いながらシズちゃんはピアノロールがずらりと並んだ画面に顔を戻した。
俺はいわゆる歌い手ってやつで、主にシズちゃんが作って歌わせた曲をカバーすることに決めている。それというのもシズちゃんが作る曲を歌うのは俺の声を元にした、UTAUと呼ばれるソフトだからだ。同じ声なんだからわざわざ打ち込みして調整して、なんてめんどくさいことせずに俺に言ってくれればいいのにと毎回思う。
シズちゃんの作る曲は甘い歌詞でアップテンポな明るい恋の歌が多い。それは自意識を持ったUTAUであるサイケと津軽の二人の事を表しているのだと俺はすぐに気が付いた。
大好き、幸せ、愛してる。普段の喧嘩ばかりしているシズちゃんしか知らない人間が聞いたらきっと目を丸くするだろう。そのくらいシズちゃんの作る歌は愛情に満ち溢れている。
サイケ達のため、と言いながらその中にほんの少し自分の願望を乗せている事だって俺は知っているのに。あの穏やかな音楽の裏側には、サイケ達を羨む気持ちが詰まっているんだ。

「ねぇシズちゃんってばー」
「あ?テメェまだいたのかよ、とっとと帰れ」
「酷い!じゃあ一曲だけでいいから俺のために作ってよ」
「断る」







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