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 声を殺す。組み伏せられ、攻められながら、つい漏れそうになる吐息を噛み殺す。
 泣きそうな表情の奥で、シカマルの考えていることが分かるから。それに浸らせてあげたいと、心から思うから。

「わりぃ」
「謝ら……ない……で」

 押さえ付けられ、潤んだ粘膜同士を触れ合わせる。はらり、乱れる長髪が肌の表面を撫でる。切なげに歪む顔に、息を飲む。

「泣いてんじゃ…ねぇか…」
「違っ……これは…違う……の」

 胸に孕む水分は既に飽和状態、気が付けば頬を涙が伝う。
 でも――悲しい訳じゃない。

「ん……?」
「…そんなんじゃ……ないから」

 交錯する感情を、自分でも説明出来なくて。なのに――シカマルの気持ちは、痛いほどに分かってしまう。
 だからこそ、ただ傍に居たかった。

「……ア……ス」

 呼べばいい。私じゃない名前を、呼べばいい。

「シカ……いいよ」
「……っ!!」

 頭の中が空っぽになるほどに、奥を突かれて。おかしくなりそうなほどの愛撫を受けながら、それでも声を殺すのは、貴方の為だから。
 抑えきれないものを、吐き出しほしいと思うから。
 私の存在を亡くして、貴方の望むものにしてくれればいい。組成液も粘膜も、吐息も肌の熱も、すべて。彼のものだと、そう、思えばいい。脳内に浮かんでいる映像だけに忠実に、愛おしさをぶちまければイイ…。

「アス……マっ、」
「…っふ……っ」

 繋がった部分から流れ込んでくる貴方の思惟が、私の方を向いていなくても。見下ろす鋭い瞳に、私が映らなくても。いまは、それでも構わないから。

 身体が痺れ、胸がふるえる程の、切なさに満ちた快感を、彼の与えるものだと、そう、思いながら。
 ひたすら味わえばイイ――




倦怠感にまれた彼らの行く末


 貴方にならぐちゃぐちゃに壊されてもイイ
 だから、
 もう苦しまないで。



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2008.10.05 mims
アニナル「アスマ小隊」辺りをうまく昇華できずに垂れ流してしまった代物
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