ざり、踏みしめた足元のひびきが、欲望のカタチで脊椎をはいあがる。
背中に感じる胸の厚みと、嗅ぎなれた煙の香り。そこにいるのがアンタだと、ふり返らなくても分かるのが嬉しい。
耳たぶを撫でる髭。くすぐったくてむず痒い感覚は、俺の中にある想いそのまま。
「シカマル」
低い声。明るい陽の下で呼ばれるのと、たいして変わらないのに。その声に感情を付加するなんてあさはかだ。でも、勝手に脳がアンタの欲を読みとるから。おろかな身体は、反応をしめす。
アンタの中でうずまくものが、脂臭い吐息にのって俺の中に染みこめばいい。
わざとらしく擦りつけられる肌は、俺よりもずっと熱い。そんなに欲しているくせに、こぼれる笑いには余裕が見えて。本当はアンタよりもずっと焦れている自分に、気付かれているんだと思った。
「んだよ。くっつくなって、気持ちわりぃな」
無造作に吐き出した言葉は、たよりなくふるえる。アスマの腕の中にいると思うだけで、心はバランスを崩すから。掠れた嬌声に聞こえるのは、アンタのせい。
「すまん」
謝んなよ。どうせ拒絶しても、ぐちゃぐちゃになるまで抱くくせに。噛み殺した声を飲み込んで、あつい熱を打ち付けて。どんなに啼いて、懇願してもやめねえくせに。
だったらいっそ、もっと横暴に、命令みたいに奪えばいい。やさしさなんて欠片も見せずに、押さえつけてくれれば。
つよがり
その生意気な顔に余計煽られる
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2009.05.06 mims
究極に短くまとめたくて、玉砕