いつもは鬱陶しい?彼

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ついてない…

なんでこんなことに
なっちゃったんだろう。

あ、自業自得か…うん。



天然クニシャン
いつも鬱陶しい?
浅野 啓吾




正月も明け
世界が普通に廻る今日。

あたしも同じ様に
廻らなきゃだめだったんだ。


冬休みに羽を伸ばし過ぎて
昼夜逆転の生活してたから
結局、昨日も夜に
眠気が来なかった。
(で、いつの間にか寝てて
気付いたら昼前。)


だるいなぁ…


さっき起きたばかりの身体
こんなことばかり考える心。



授業中に遅れて教室に入る
たったそれだけの事なのに
こんなに億劫に感じるなんて。

は〜…

休めばよかった…

社会人じゃ許されないだろうけど
学生だし、いいかなぁ。


『何?進級したくないの?』


休み前に先生に言われた言葉が
頭の片隅を過ぎる。

あー…休んじゃマズイ?
でも、一護も織姫も
休みまくってるし…

あたしより多いよね?


来た道を引き返すため
身体をクルりと翻そうとした時
何かにボスッとぶつかった。


「グッモーニーン!」

「ケ…ケイゴ!」


ぶつかったのは
クラスメイトの浅野啓吾。

いつもテンションが高くて
(たまについていけない)
表情がコロコロ変わる
良く言えば“ムードメイカー”
悪く言えば“騒がしい”
そんな奴。

煩い奴に出会ってしまった。
どうしよう・・
そんな事を考えていると

あたしより高い身長と
見た目より筋肉質な身体に
引き寄せられる。

「離せぇえぇ!」


必死にもがくけど
抗えないのは
男女の体格差故、仕方ない。

「だめー!」
今、帰ろうとしてたでしょ。


イタイところを突かれた。

黙っていると、ふわり。
身体がまた反転させられる。


「一緒に重役登校、しようよ?」
ね?


身体に回されていた腕が
ふわりと解かれると

いきなり手を引かれた。


「ちょ、ケイゴっ!」


「学校までエスコートっ。」
あ、昨日のブラ霊見た?
もう俺、興奮しちゃっ…



半歩前を歩く君は
楽しそうに笑ってて

手は「逃がさない」と言わんばかりに
しっかり結ばれている。




「おはようございまぁす!」
俺ら、朝からUFOに拉致されかかってましたが
なんとか脱出して来たので遅れました!!


教室のドアを開けて
放たれたケイゴのマヌケた言い訳と
クラスメイトから漏れる笑い声に
(失笑ともいう)


けだるさが、スッと消えて
笑顔が零れた。


なんとなく、いつもこう。


ケイゴはいつも
あたしを【笑顔】にする
天然テクニシャン。

END.

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天然テクニシャン
―いつもは鬱陶しい?彼―
浅野 啓吾

クラスに1人。
浅野さんが居ればいいのにな。

2009.01.13 megumi

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