特別な日に…

昨日までしとしとと降っていた雨は止んで、
今日は随分と空が青く高い。



なまえが生まれた日は、いったいどんな空だったのだろうか。
テーブルに肘をつき、そんなことを考える。



生まれたばかりのなまえの誕生日を祝ってくれたのは、きっと家族。
そして、アカデミーに入る頃には、たくさんの友達がおめでとうって言ってくれて。
卒業して、一人前になると友達はもちろん、
先輩や後輩、たくさんの人が声を掛けてくれる。







そして今年は────。









- 特別な日に… -











ピンポーン



部屋に響くその音に、少しだけ鼓動を速める。





なまえが玄関を開けると、

「準備できてるか?」

そこにはいつもの忍服ではないシカマルが立っていた。



「あ、うん」

なまえは急いで靴を履く。

この間買った、真新しいワンピースを着て、
少しだけお化粧もした。

変じゃないかな、と、 玄関に置いてある鏡を心配そうに覗き込むと、
ぽん、と頭に手が乗せられる。





「────似合ってんじゃね?」

思いがけない言葉にシカマルの顔を見れば、
照れたような顔をしていて。

なまえもなんだかくすぐったくて、ほんのり赤みを帯びる顔を下に向ける。



玄関の鍵を閉めて、じゃあ行こっか、とシカマルのほうを向きなおすと、
目の前にすっと手が差し出された。



「え?」

素っ頓狂な顔で、シカマルの手をぼうっと見ていると、

「そんな靴だと、お前絶対コケるから」

その手を取れず、なまえがもたもた考えていると、
ほれ、とシカマルが華奢な手を掴んで歩きだす。

「わっ、シ、シカっ……」

「飯食うところは決めてっから、それまでなまえが行きたいとこ行くか」

嬉しそうに「うん」と言って笑みを零すなまえに、
シカマルの顔も自然と綻んだ。







梅雨の合間の晴天。

今日が特別素敵な日になりますように。




2008.06.21up
お読みいただき、ありがとうございました。
いつもお世話になっている、mimsさんに捧ぐ「もんのすごく遅くなっちゃっいましたが、お誕生日おめでとうございます夢」です(長。
クレーム、ダメだし、総とっかえ、すべて甘んじてお受けします。mims様、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいm(__)m

お誕生日のお話は、書いていて楽しいです(≧v≦)。シカマル夢、久しぶりに書きました。
それにしても、大丈夫ですかねこれ(ーー;。
いつもよりも短いお話なので、ちゃんと夢になってるか心配ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^−^*
というわけで、mimsさん。おめでとうございましたっ!



[coffin]のりんねさまより頂いたお誕生日祝い夢でした。

まず忍服じゃないシカマルがドツボで、さりげないフェミニストぶりにも、照れ臭そうな所にもドキドキしまくっちゃいました!!!!

りんねさんのシカマルはいつも無造作と繊細のバランスが絶妙で、ヤラレまくりです〜♪
素敵なお誕生日祝い、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします〜。
20080624 mims
BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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