思い出を片手に

!注意!

この話は、明治時代を舞台にした、明治・外国パロディです。
シカマルは日本人、貴女は外人さんです。
奈良御夫妻とシカマルは、“最新の医学を学ぶため、外国にいる”という設定です。
気分を害さない、心の広い方のみどうぞ♪







[思い出を片手に]


* Shikamaru Nara *






私は走る。

シカクさんが貸して下さった唐傘という物を持って。

ヨシノさんから訊いた、素敵なお話しを携えて。

シカマルの出身国日本では、唐傘が雨具として主流だと、シカクさんが笑って貸して下さったから。

きっと懐かしがるって。

ヨシノさんの口添えで、私の手には、唐傘が一本。

外は夕立。

雷は苦手だけど、連絡が確かなら、もうすぐ帰ってくるはずだから。

洋傘だらけのこの道を、私は一人、走る。

それにしても、唐傘は、和紙という紙で出来ているのに、傘だなんて驚きだ。

私の知らない世界にシカマルが居るのは嫌だから、また、新しい事を知れて嬉しかった。



『シカマル―――!!』



手を大きく振ると少し先を歩くシカマルが、



「…なまえ?」



顔をあげてくれた。



私は足を速め、駆け寄る。



『迎えに来たよ!』



既に濡れてしまっているけど、これ以上悪化しないように唐傘を差し掛ける。

シカマルより、少し小さい私は、ちょっと背伸びしなければならなかった。

すると不意に、私の指を唐傘の柄から外し、握った。



「唐傘…親父の仕業か。」

『仕業?おかげだよ。』



真っ赤な唐傘を見上げる、シカマルの漆黒の瞳が、柔らかい光を灯す。

シカクさん、作戦は成功の様です。





「ほら、突っ立ってねぇで行くぞ。」

『あっ、うん。』



シカマルの隣、二人の頭上に唐傘一つ。



「なまえ、もう少し寄れ。」



軽く腕を引かれる。

自然と近付く、距離。



『?』

「これ位近付かねぇと、濡れるんだよ、肩が///」



あぁ、そっか。

…と油断していた所に、雷。



『っきゃぁ!』

「どうした?」

『雷…嫌い。』



チロリと見上げると、シカマルが少し笑っていた。

ほんの少しの微笑み。

簡単に見逃せるくらいの、でも、私は見逃したりしないわ。

私の心の、宝物。



『ねぇ、シカ?』

「あ?」

『腕、貸してもらって良い?』



何歳児だ、とか言いつつ、唐傘を持ち代え、腕を差し出してくれる。

…照れ屋な貴方の優しい所。

私はその少し濡れた腕に、自分の腕を絡めた。



「本降りにならないうちに行こうぜ?」

『うん。』



ねぇ?

これは、相合い傘っていって、恋人同士がするものなの、って言ったら、貴方はどんな顔するのかしら?

せっかくヨシノさんが教えてくれたんだから、



「おい、何一人でニヤけてんだ。気持ち悪ぃぞ。」

『あのね…』



教えてあげる、相合い傘。



―――――――…



ヨシノさんに訊いた事を話し終えた途端、抱き寄せられ、囁かれた。



「事実だろうがバーカ。」



……予想外な反応。

絶対赤くなるって、ヨシノさんは言ってたのに。



「迎え、ありがと…」





□ぎこちない、

■ありがとうと共に、

□重ねられた唇は、

■少し甘い、

□雨の味がしました。





fin
[思い出を片手に]
*奈良シカマル* by Mizu

〜蛇足と言う名の後書き〜

題名は思い出を片手にです。
元気とやる気が少しでもでるように。
こんな駄文でも、シカマルっぽくするのは頑張りました!
少しは栄養価があるはずです(笑)
ランキング運営も増えて大変だと思います!
愛と妄…想像で頑張って下さい(笑)

この二人、多分英語で話してるはずです。
…いや、ヒロインが日系人かも知れませんが。

P.S. ヒロインはイノを改造しました。
思い出を片手に、は続く予定…

2008.07.01&03 Mizu


Mizuさまより頂いた、素敵なシカマル夢でした。いつも応援してくれてありがとう(涙)
本当にMizuさんの言葉に日々励まされてますよぅ!!!
しみじみしっとりで甘ーいシカマル夢、本当にご馳走様でした!!
Mizuさんがサイトをオープンなさるのを、心待ちにしつつ全力で応援していますっ!!
これからもどうぞよろしくお願いしますねvv
2008.07.02 mims
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