03.幸せの証

一時だけで 続編


「…す…──だ……」

『え?』





私は、昼過ぎからバイトがあるので、鏡の前で軽く化粧をしていたら、彼の声がしたので振り返る。


だけど、シカマルはベッドに横たわったまま動かない。

それに“スー”と、心地好さそうに寝息が聞こえる。



…寝言かな……?















──…ピピピッ、ピピピッ…


バイト先へ行く時間をセットしていたサイドテーブルの上にある目覚まし時計の機械音が寝室に響いた。





「……んぁ…?」





あ…起こしちゃった…

でも、もう1時半だし…起きてもいい時間だよね?





『シカマル、もうお昼過ぎちゃったよ。』

「…あー…」





上半身だけ起こし、ボリボリと頭を掻いている、少し寝惚け気味のシカマル。



寝起きもカッコ良いなぁ…

なんて心の中で思う。



恥ずかしくって本人には言えないけど…





『シカマル、寝言で何か言ってたけど、どんな夢視てたの?』





何時もは寝言なんか言わないのに珍しいな、と興味本意で訊いた。

そうしたらシカマルは、優しそうな表情を向けながら私を見る。



うわ…



何回かしか見た事ない顔に不覚にも、ときめいてしまう。





「どんな夢か教えてやろうか?」

『うん、教え………わわっ!?』





腰を大きな手で固定され、気付いたら、シカマルの上に覆い被さる状態。





『な、何するのよ…?』

「別に。俺が視た夢を知りたいんだろ?」





魅了されてしまう彼の口元、声、瞳。
あまりの色気に、思わず首を控えめに上下に動かしてしまった。



すると口端を上に上げたシカマルは私の耳元に顔を近付けて

「初めてなまえが俺を誘った日の夢を視たぜ。」

囁いた後、多分赤くなっている頬に軽く、薄い唇が触れた。










―幸せの証―


シカマルに抱きしめられながら、くるっと身体が反転し、ギシッとベッドが軋んだ。



意地悪そうに私を見下したシカマルは、やけに色艶めいてて、ドクッと血液が逆流した感覚が私を蝕む。



……って、この状況は…すっごく危ないよね…?





『ちょ…待ってよ…私、これからバイトが……』





そうだよ!

私はバイトに行かなきゃいけないんだから、早く退いて欲しいの。





「バイトって…アスマの所だよな?」

『…へ…そうだけど…?』





何?その妖しい笑い方…

なんだか今更ながら、身の危険を感じるんだけど…





「ま…いいか。アスマなら。」

『な…ひゃあっ!』





私の首筋に顔を近付け、一つ一つと紅い印を刻んでいく。

ちくりと一瞬だけ痛みが走るけどそれが凄い幸せだ……



……って、そうじゃなくて!





『っやだ!まだお昼だし…それに……』





こんな体勢…恥ずかしくって堪えられないよ!





『ほら、バイト行くから退いて』





力の限り手の平で、ぐいぐいと広い胸板を押して抵抗が、シカマルはびくともしない。

それに加えて、私の両手首を顔の横で抑えつけ、またシカマルは首筋に顔を埋める。





「昼だからこそ良いんじゃねぇの?」

『ひゃぁっ?!』





いきなり舐められた首筋の、温い感覚に驚いて大きく短い悲鳴を上げてしまった。



まずい…そう思ったけど今は完全にシカマルのペース。

このパターンは何時もの事だけれど私は、未だに慣れていない…





「しかも、お前が夢ん中で誘うから駄目なんだよ」

『なっ…何よそれっ!シカマルの夢なんか知らないよー!』

「無理、時間切れ。」

『理不尽っ…あぅっ…』





身体中を、服の上から這わされるぞくぞくと変な違和感。

その感覚で、頭が真っ白になってシカマルの服に思わず指を絡めた。





「なんだよ…嫌だ嫌だ言ってる割には乗り気じゃね?」

『…やぁ……違っ…』





バイトの制服の白いワイシャツを初めて恨むかもしれない。



前開きシャツなので彼の指はすでにボタンを外しに掛かっていた。


下着の姿をまじまじと見られ、あまりの羞恥で自然と瞳が潤む。



パサッと音を立てながら床に落ちたワイシャツ。

そっちに顔を向け、なるだけシカマルと視線を合わせないようにギュッと目を閉じた。





「強情なヤツ…」





そう耳の近くで囁かれたら、急にプツンと音が鳴り、胸の締め付けが無くなり、生暖かい感触が膨らみに這う。





『あっ!はぁ……』





片方の胸の飾りを丁寧に舐めあげられ、もう片方は指で摘まれたり、弾かれたり…。

私の反応を楽しむように弄ばれる。





『はあっ…あぁんっ!』





首を左右に振って、火照る身体を何とかやり過ごそうとするけど、無駄な努力だって事は分かりきっている。



脳に痺れるように届く快感には逆らえず主導権は結局シカマル。



胸に舌を這わすシカマルを見るだけでも下腹部がジンと疼いている。





『ああぁっ!!』

「嫌だとか言っといて、ここ濡れてるぜ?」





急に秘部を、布越しにゆっくりと下から上に往復する指。





『もっ…やだぁ…』





理性がなくなってしまった私は、もっと…もっと…と、快楽を求め、涙を流す。



でも、そんな思いとは裏腹にピタリと止んだ愛撫。





『シ…カマル…?』





私は、名前を呼んだ。
いきなり止まった快感に疑問を抱きながら。





「なぁ、なまえはどうしてほしい?」

『え…?』

「“嫌”なんだろ?」





…え?





「ほら、どうして欲しいんだ?」





なんで聞くの?
分かってるクセに…

なんで意地悪なの?
今日に限って…。





『……あっ!』

「早く言ってみろって」





下着を下ろされ、ゆっくり入れられた指は、クチャと音を立てながら私の中を解していく。



部屋には私の濡れた声と、水音が響き渡る。















なんで笑ってるの?
この…ドS男……





『シ、カ…マルが、欲し…よぉ』





何時もは優しくしてくれるのに、今日は、すっごくすっごく意地悪。



涙をボロボロ流して、消えそうなくらい小さな声でシカマルを求めた。





お願いだから焦らさないでよ。

身体が熱を帯びててツラいよ。

シカマルが治してよ…





お昼過ぎの暖かい陽射しは窓を通して、私達を照らし出す。



シカマルは私の上に居たから、顔が影に隠れていて良く見えない。



それが恐くなっちゃって、思わず自分の腕をシカマルの首に絡めた。





「…どーなっても知らねぇからな。」

『きゃぁ!…は、っあぅ!あぁ!』





いきなりシカマルは指を抜いて、自身を私の中に貫く。

望んでいた快感に、目眩と幸福感を覚える。


肌が触れ合う
体温が上がる
時折囁かれる愛の言葉

そして名前





「なまえ…好きだ…っ、愛してる……」

『はぁ!あっん…ふあぁ!!』





ありふれた言葉だけど
ありふれた行為だけど

嬉しくて、幸せで…

涙が止まらない…止まんないよ…



この人と一緒に生きている時が、一番好きだよ。





『やぁ…もうだめぇ!イっちゃ……あぅ!!』

「……っ!イけよ……!!」





ガツガツと、私の性感帯をラストスパートをかけるように的確に攻めていく。



それと同時に目の前が白く霞んで、快感に堪える為、シカマルにしがみつく。





『…はっはぅ…あぁぁああっ!!』

「……くっ!」





中に注がれた熱い液体が心地好く、すぅっと瞼が閉じた。



シカマルが優しく笑いながら、私の前髪をさらっと透いてくれた気がするけど意識が遠退く。

























------


『腰痛い…』

「運動不足じゃねぇの?」

『バイト無断で休んじゃったし』

「アスマだから大丈夫だって」





気が付いて起きてみると、時刻はもう夕方だった。



シーツや、脱ぎ捨てられた服は、ぐしゃぐしゃだし、身体は汗でベトベトだし…。



シカマルは何て事無いような顔で淡々と私の文句をかわしていく。





『って…シカマル。』

「今度はなんだよ。」

『中に出した…よね……』





西陽が眩しいのか、目を細めながらシカマルは、ベッドの上にいる私に一歩ずつ歩み寄る。





「良いんじゃねぇの?責任はもう取ってるしな。」





私の左手を取り、はめられている指輪に軽くキスをした。



その時のシカマルの顔といったら……





『好きだよ、シカマル。』





妙に愛しくて愛しくて。



何が面白い訳でもなく二人でただ笑い合った。





END


12000hit代理 mimsさま


かなり遅くなってしまってすみませんでしたーυ

いやぁ、『Sシカ』になっていたでしょうか…?

おまけに本格的な裏を書いたのは初めてで、素晴らしく拙い文になってると思います(--;)

ちなみに、この夢は
『一時だけで』の続編になっております〜☆


お持ち帰り・ダメ出し・修正点などはmimsさまだけ、どうぞ☆





なまえ様
ここまでお付き合い戴き有り難うございました!



[みたらしだんご]のもみじさまより頂いた、代理キリリク夢でした〜\(^o^)/

もみじちゃん、このシカマル本当に連れて帰っていいのかな?
って、許可出る前に拉致っちゃうよぅ!!

ぐはっっ、鼻血大噴射なんですが…しかも前に頂いた夢の続きだなんて嬉しすぎ!!!!

大事に飾らせて頂きますね。
ホント、ありがとうございました〜〜〜☆
20080721 mims
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