目覚めたら噛みつけばいい

去年の私の誕生日は任務で会えなくて





X'masも折角休暇願いだしたのにライドウは




「彼女が居ない奴らが可哀相だから」




とか言っていつものメンバーで飲み行っちゃうし。






そして、今日!!!








今日は二人が付き合って一年目の記念日!!!







ライドウも今日は任務休みだから久しぶりに二人で外食









…のはずだった。








ライドウとも二週間ぶりに会うから気合いいれてメイクしていた私の元に忍鳥が手紙を持ってきたのが始まり。







「急用ができた…?」








信じられない。







直接口で聞いたほうがまだ許せた!!!






なのに!!ライドウはわざわざ忍鳥に伝言を頼むなんてッ!!







今日のために買った白いワンピース。







きっと急用は任務。
今まで恋人にとってのイベント事は一人で過ごしてきた。
こんな事慣れてるはずなのに、なんでだろ。





頬を伝う涙が止まらない。







私ってライドウにとって何なんだろう。







今は自分を追い詰める事しかできないよ…











いつの間にか寝ていて、目が覚めたら窓の外は真っ暗。




「うわッ、不細工」




鏡に映った自分の顔に思わず吹き出してしまった。
瞼は腫れてるし、涙が伝った後はメイクがくずれて真っ黒。目も赤く充血してるし。






あーぁ、最悪な記念日だよ。







でも記念日に会えなかっただけで泣く私はまだ子供だ。







とりあえずシャワーを浴びてライドウの部屋にでも行き帰りを待つ事にした。














半年前に貰った部屋の合い鍵。




そっと扉を開けるとライドウの香り。
この部屋にくると、いつも安心してしまう。






「失礼し」







途中まで言いかけた時私はリビングで寝ているライドウを見つけた。
ライドウの横には大きな花束と綺麗にラッピングされた小さな箱。
メッセージカードには私の名前と「いつもごめん、会いたかった」の文字。







「ライドウ…」





声をかけるが聞こえてくるのは静かな寝息だけ。
昼間流しきった私の涙はまた溢れ出す。









目覚めたら噛みつけばいい




(そして、)(言ってやるんだ)(私も会いたかったって)







END
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -