自慢

また1日が始まる





何も変わらない



気だるさを感じる





そんなアタシの世界はずっと続くのだと思ってました




なまえサン、貴女に会うまでは・・。






  
―自慢―







ガラガラガラッ・・


店の少し古い扉が開く音がして朝日が差し込み



「おはようございまー・・す。」



そして遠慮がちな、小さな声が耳に飛び込んでくる。


そんな毎日の日課が楽しみで、ここのところ早起きしてるなんて・・死して何百年も存在しているのに・・ちょっと青臭いスかね?





「なまえ殿!!!おはようございますぅうぅ!!」



「ぎゃ・・!テ・・・テッサイさん・・おはようございます。
 あの・・・喜助さんは・・」



「少々、お待ちを。」



ほら、毎日来てるのにいつまでもテッサイさんに慣れないところも


そうやってあげる小さな悲鳴も




可愛くて仕方ない。





店と住居を隔てている襖が滑らかに、そして静かに開かれる


「店長・・」








「あ、聞えてたっスよ〜」




厳密にいうと聞いてたんですがね?



テッサイさんが奥へ入って行くのを横目で確認しながら帽子を深く被って扇子を持つ



腰をあげて店にひょこっと顔を出してみせると、貴女と目が合う。







「おはようございます・・なまえサン」



「お、おはようございます・・喜助さん。」




ハハハ・・アタシ、やばいっスねぇ。

ちょっと照れくさそうに目を逸らしてから挨拶してくれるなまえサンを見るだけで口元が緩んじゃって。




「ささ、どうぞどうぞ。上がってください!」



扇子を開いていつものように緩む口を隠してなまえサンを招き入れた。


喜助さんは・・一言で表現するならば“よくわからない人”だ。



『おはようございます・・なまえサン』



でも彼の言葉と帽子の下から少し見えるあの目


それだけであたしの心は乱されて、なんだか異世界にでも連れてかれたような感覚になる。









「最近、喜助さん早起きですよね。」



あたしが初めてにここへ来た時は、まだ起きてなかった時間で・・



貴方にとってそれはただの気まぐれかもしれないけど、あたしは期待しちゃう。





もしかしたら、あたしが来るから起きててくれるのかな・・とか。




「早いっスかね〜?いつもと変わらないですよ。」





そうやって貴方は扇子で口元を隠して、いつも濁すから



どう思ってくれてるのか解らなくなるの。




喜助さん・・あたしは貴方の“彼女”で・・・・いいんですよね?






「それより・・も、」





突然、ふわりとした声と温度があたしを包む。



「喜助・・さん?」



「なまえサン・・“喜助”って呼んでくださいと言ったっスよね?」




それだけであたしの頭はまた




「き・・すけ・・」





完全にショートしてしまう。







アタシはもうとっくの昔に死んでるし、恋なんてするわけないと思ってました。


それも現世に生きる人間と、なんて。



困ったモンだ・・。



「なまえ・・」




その潤んだ目も


光る唇も


膝の上で握り締めてる小さな手も



全てがアタシの心を捉えて離さない。




「なまえ・・・ッ」



『なまえ・・』


喜助さ・・喜助、の口から聞える自分の名前を聞いて胸が更に高鳴った。



そしてその後に落ちてきた口付けに、頬に触れている左手に、貴方の香りに、溺れそうになる。




好き


好きです


好き






心がそう叫ぶ




もう、全部、溶ける。




全部溶けて、貴方の一部になってしまいたい。




「き、すけ・・っ」






何度もなまえサンの唇を、心を、支配してしまいたいと求める・・・そんな余裕がない自分に心の中で苦笑い。





もうそろそろ、“紳士的な喜助”は限界っスかね。




帽子を外して、抑えていた感情も全部外してしまおう。



「なまえッ・・」






ガラッ


先ほどテッサイさんが開けたのとは、正反対の荒々しい音をたてて襖が開く



「ういーっす浦原さんいるか?!」




・・・間が悪いっスよ黒崎サン。






居間には抱き合うアタシ達。

ウブな黒崎サンは・・硬直っスか。






「ぁ・・ごめなさ、っ!」




あぁいい雰囲気だったのに。


なまえサンは何も悪くないのに
奥の部屋に逃げてっちゃうし・・




「う、浦原さん・・」



「・・はい?」



「わ、悪かった・・な。」



「ま、いいっスよ。」




ホントは全然良くないっスけど、ね。(ま、でも自室でしなかったアタシも不覚でしたし)






「あの女・・誰だ?“エロ商人”って冗談だよな?!
 まさかそんなハレンチな関係じゃ・・・っ!!」




まったく、黒埼サンは・・恋仲だって見てわかんないんスかねぇ。



なまえサンが逃げ込んだ隣の部屋を指差しながら腕をブンブン振って・・


今頃なまえさんはその部屋で膝、抱えて顔を真っ赤にさせてるんでしょうね・・。


そんな姿を想像するだけで、また口元が緩むっスよ。




「そんな、ハレンチな関係なんてないっスよぉ〜・・なまえサンは、違います。」



「じゃぁなんなんだよ?」







何って・・・決まってる。








「なまえサンはアタシの・・・自慢の彼女っス。だから、盗らないでくださいよ?」



聞こえて、ますよね?
なまえサン。


そして、さらにその可愛い顔を真っ赤にしてるんスよね?







END.



黒崎一護帰宅後・・




(聞えてたっスか・・?)

(は・・い。)




(アレ、本心ですから。)



(は、恥ずかしい・・・)




(んもう!照れるなまえサンも可愛くて・・我慢できませんよ・・)



(ちょ・・ここじゃ・・・)


(あ、じゃぁ部屋、行きましょ〜ねぇ)






【mon amour,nara】 mimsさまへ

相互御礼夢 浦原喜助夢でした。



みーチャンンン!なんかこう、へしょった感が申し訳ない・・。

もっとキュンとしたものが書けないのは、あたしの経験不足っす。(土下座)

日々精進をモットーにして、これからも頑張るので見守っててください!


ダメだし、しちゃってね!



今回は、こんなへっぽこサイトと相互リンクをしてくれてありがとうございました!!

これからもよろしくです。



最大級の愛を込めて・・


2008.12.13 【愛だらけ】メグミ








お持ち帰りはmims様のみでお願い致します。


[愛だらけ]のメグミさまより頂いた相互記念夢。
ぎゃーーーー!!メグミン、浦原さんがいるっ!!
自分で書いたものにはなかなか萌えないのに、頂き物ってなんでこんなに萌えるの。
それもこれもみんなメグミンの文才のお陰です。美味しい夢、ご馳走様。
そして一護…美味しい所持ってってくれてありがと―(笑)
大事に飾らせて頂きますっ!!
2008.12.14 mims
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